EU離脱派が約束の「ボーナス」ふいに-銀行株急落で英政府財政直撃

  • 英政府が保有するRBS株とロイズ株の評価は約1兆円減少
  • RBSとロイズの株価は2営業日で29%以上下落

英国の欧州連合(EU)離脱派の主な約束の1つは国内政策への予算配分拡大だった。しかし、国民投票で離脱が決まると、英政府が保有する銀行株の評価が大幅に減少し、英財政に直接の打撃を与えている。

  ブルームバーグの集計データによれば、英政府が保有するロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)とロイズ・バンキング・グループの株式の評価は離脱決定以来これまでに約78億ポンド(約1兆600億円)減少した。

  離脱推進派はEU分担金の支払いがなくなるため、国民健康保険制度(NHS)などの国内施策により多くの資金を振り向けられると主張していた。しかし過去2営業日にRBS株は30%、ロイズ株も29%それぞれ値下がりして政府持ち分の評価も損なわれた。S&Pグローバル・レーティングは27日、英国の格付けを2段階引き下げ、「外部の資金調達環境が著しく悪化するリスク」に言及した。

  2010年以降、英政府は過去に救済した銀行の保有株の売却や破綻した金融機関の貸出債権の処分を通じて約750億ポンドを回収した。現在73%保有するRBSの株式は20年3月までに売却して約250億ポンドを調達する計画で、現在9.2%保有するロイズについては、来年3月までの完全な再民営化を図る。

  アナリストらは27日に一斉に英銀の投資判断と利益見通しを下方修正した。英銀はEU離脱決定前でさえ、収益性拡大に苦戦を強いられていたが、リセッション(景気後退)や英利下げの観測浮上でその課題はさらに困難になりそうだ。

  RBS株は27日に173.4ペンスで終了。ロイズ株は51.15ペンスだった。インベステックのアナリスト、イアン・ゴードン氏によると、株価が英政府保有株の損益分岐点(RBS株は407ペンス、ロイズ株は73.6ペンス)を相当下回る水準にあるため、早期売却の可能性は極めて低いという。

原題:Britain’s Promised Brexit Bonus Goes Flat on Bank Stake Collapse(抜粋)

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