英のEU離脱で最悪の痛みはこれから、米クレジット市場は備え必要

  • モルガン・スタンレーとUBSは顧客にキャッシュで待機を推奨
  • 債券価格はリスクテークを正当化できるほど安くない

モルガン・スタンレーとUBSグループは、英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けた米クレジット市場の損失の悪化に備えるよう顧客に伝えている。

  英国民投票での離脱派勝利は既に市場を揺さぶり、米社債スプレッドを欧州ソブリン債務危機以来最も急拡大させているが、両社のクレジット・ストラテジストらによると、最悪期はまだこれからで、債券価格はリスクテークを正当化できるほど安くはないため市場の動揺が一時的なもので終わることはないという。

  モルガン・スタンレーのアダム・リッチモンド氏ら同社ストラテジストは27日のリポートで、「数日前よりもスプレッドが多少拡大した水準で米クレジット商品の購入に踏み切りたいという衝動があっても、われわれは辛抱強くなることを勧める」とコメント。「英国の離脱に伴う全ての影響はしばらくの間分からないかもしれないが、米経済は大きな衝撃に絶えられる状況にはない」と付け加えた。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチの指数データによれば、国民投票結果を受けて投資家が世界の資産と共に米社債を処分売りしたことから、投資適格級債券やハイイールド(高利回り)債の米国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)拡大し2.48ポイントに達した。社債スプレッドが1日でこれほど上昇したのは、欧州のソブリン債務危機の悪化で銀行システムへの影響が懸念された2011年10月以来。

  UBSのスティーブン・カプリオ氏は、英国のEU離脱決定で米国がリセッション(景気後退)に陥る確率が34%に上昇したため、新資金で債券を押し目買いするのは当面控えるよう投資家に勧めている。ドル高や原油安、銀行セクターが受けるストレスなども脆弱(ぜいじゃく)なクレジット市場の状況を一変させる恐れがあり、そうなればハイイールド債を発行する企業や投資適格級の企業の一部は債券市場へのアクセスに苦戦を強いられかねないという。

原題:Worst of Brexit Pain Yet to Be Felt in U.S. Credit, Banks Warn(抜粋)

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