安倍首相:為替・株をウオッチ、安定へ決意重ねて表明-諮問会議

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  • 中期的に実体経済への影響も、中小企業への配慮を経済界に要請
  • 麻生財務相に日銀総裁と連携、G7の協調をあらためて指示

安倍晋三首相は28日午前、官邸で開いた経済財政諮問会議で、英国の欧州連合(EU)離脱派が勝利した国民投票結果を受けて市場には不透明感やリスク懸念が残っていると指摘し、市場の安定に全力を尽くす意思を主要7カ国(G7)で市場に発信し続けると表明した。

  諮問会議にはスイスへの出張から帰国した黒田東彦日銀総裁も出席した。首相は会議で、「世界経済の成長へあらゆるリスクの芽をつむ」との決意を示した上で、為替や株式市場を「ウオッチ」すると発言。また実体経済への影響が中長期的に現れてくる可能性があると指摘し、中小企業への配慮を経済界に要請した。

  麻生太郎財務相に対しては、日銀総裁と連携しこれまで以上に市場に注意を払い、G7諸国と協議し経済金融面での対応に万全を期すよう指示。黒田総裁に対しても、G7で連携し市場の流動性を確保し、資金供給によって金融仲介機能を支えるよう求めた。

  麻生財務相は閣議後の記者会見で、「金融市場は今週に入って落ち着きを取り戻した」としながらも、「為替市場では極めて神経質な動きがみられた。市場動向を緊張感を持ってこれまで以上に注視し、必要な時にはしっかりと対応する」との姿勢をあらためて強調した。

  一方で、ルー米財務長官は27日のCNBCとのインタビューで英国のEU離脱について「金融危機が生じている感覚はない」とし、単独介入は市場を不安定化させる恐れがあるとけん制する発言をした。これに対し、麻生財務相は「日本の市場は変動幅が非常に大きく動いた」としながらも、「為替はわれわれの最悪の想定に比べれば安定している」と述べた。

  為替相場は午後12時37分現在、1ドル=102円16円前後で推移している。

  内閣府の発表によると、麻生財務相はこの日の諮問会議に、英国民投票を受けて日本時間24日に円相場が1ドル=99円まで上昇したことを報告。G7声明、日銀総裁との共同談話などの資料も提出した。黒田総裁は、英国国民投票を受けた金融市場の動きや、流動性供給などに関する主要中央銀行の声明などの資料を提出した。

  黒田総裁は諮問会議後、記者団が臨時会合の可能性を質問したのに対し、「ノーコメント」と答えた。

  市場の混乱を受け、与党の一部からは大規模な経済対策の取りまとめを求める声も上がっている。これに対し、菅義偉官房長官はこの日の閣議後会見で、経済対策の規模は全く決めていないと発言。石原伸晃経済再生相も具体的な指示はまだないと述べるにとどめた。

  28日付の日本経済新聞朝刊は、自民党の二階俊博総務会長が、首相に総額20兆円の景気刺激策を求めたと報じた。

  

(4、5段落に財務相、8段落以降に官房長官の発言などを追加し更新.)
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