ドル・円は101円台後半、英国ショックの余波重し-日本株高が下支え

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  • 日本株持ち直しに連れて午後には102円21銭まで戻す場面も
  • 米利上げしない期間長期化する可能性、ドル安・円高圧力-大和証

28日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=101円台後半で推移。英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けた世界的な景気の先行き不透明感を背景に、リスク回避に伴う円買い圧力がくすぶった。

  午後3時18分現在のドル・円相場は101円87銭付近。午前に日本株の大幅反落を受けて一時101円56銭までドル安・円高が進んだ後、株価の持ち直しに連れて午後には102円21銭まで値を戻す場面も見られた。

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、「英EU離脱決定を受けて市場はリスク回避的になるのでドルと円が買われやすいが、どちらかというとドルより円の方が上昇しやすくはなる」と指摘。その上で、「場合によっては米国が利上げしない期間がかなり長期化する可能性があり、金利の低下余地を考えると日本より米国の方が大きい」と言い、ドル安・円高に傾きやすい地合いが根強いと話す。

  前日の海外市場では、欧米の株価が続落。資金が国債に逃避する流れが続き、各国の長期金利が低下し、英国の10年債利回りは1%を割り込み過去最低を付けた。外為市場ではポンドが一段安の展開となり、一時は1ポンド=1.3121ドルと1985年以来の安値を更新した。

  英国民投票を受けて、S&Pグローバル・レーティングやフィッチが同国債の格付けを相次いで引き下げた。英スカイニューズの報道によると、ムーディーズは英銀大手格付け見通しを引き下げる予定だという。

  東海東京調査センターの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、「米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが一段とやりにくくなっている以上、一方的にドルが買われる地合いにもならない」と指摘。また、日本銀行の7月の追加緩和について、「あり得る」とした上で、「場合によっては手前でもやるべきだと思うし、臨時でやったっていい」と話す。

各国の危機対応に期待感も

  28日の東京株式相場は日経平均株価が反落して始まり、前日終値からの下げ幅は一時300円を超えたが、その後持ち直し、13円93銭高の1万5323円14銭で引けた。債券市場は買い優勢の展開となり、長期金利の指標となる新発10年物の国債利回りは一時マイナス0.23%と過去最低を更新した。

  安倍晋三首相は28日午前、官邸で開いた経済財政諮問会議で、英国のEU離脱派が勝利した国民投票結果を受けて市場には不透明感やリスク懸念が残っていると指摘し、市場の安定に全力を尽くす意思を主要7カ国(G7)で市場に発信し続けると表明した。

  韓国政府は約10兆ウォン規模の補正予算を含む20兆ウォン(約1兆7400億円)強の財政刺激策を計画。財政刺激策は、英国のEU離脱選択や企業リストラの影響で下振れリスクにさらされている成長や雇用を支えるのに使われる。

  大和証の亀岡氏は、「英EU離脱ショックを受け、各国で財政面での措置が考えられる」とし、「リスク回避の動きが一時的に緩和されることになる」と言う。

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