川崎船:村上社長の取締役選任は賛成57%、昨年から大幅減-赤字転落

国内3位の海運会社、川崎汽船の村上英三社長は24日の株主総会での取締役選任議案で、賛成割合が56.88%と、際立って低かったことが28日の臨時報告書で明らかになった。同社は前期(2016年3月期)純損益が4期ぶりに赤字転落となった。

  報告書によると、賛成は43万9124個で可決、反対は33万94個、棄権は3個だった。他の取締役は全員、賛成割合が9割を超えていた。村上氏は2015年4月に副社長から社長に昇格。前年の総会でも賛成割合が85.92%と、9人の取締役候補の中で最も低かった。取締役の選任議案は過半数の賛成で可決となる。

  海運業界では、中国経済の減速により原油などの資源価格が下落し、コンテナ船、ドライバルク船ともに運賃市況が低迷したことで、川崎船は前期、515億円の純損失を計上。事業構造改革に取り組む中、今期も350億円の純損失を見込む。議決権行使助言会社の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は、川崎船取締役のうち朝倉次郎会長と村上社長の取締役選任議案に対して反対することを推奨していた。

  川崎船の今年の株主総会は、128人の株主が出席し都内で開催され、報道陣に公開された。村上社長は冒頭で「大きな赤字を計上し、自己資本の毀損(きそん)に至ったことを経営陣は非常に重く受け止めており、株主には申し訳ない」と謝罪した。株主質問は、電話対応の改善要望や今期配当などの質疑で3人にとどまった。総会は、取締役選任など4議案を可決し約1時間で終了した。

  海運会社では、前期に1704億円の純損失を計上し、3期ぶりの赤字転落となった商船三井で、池田潤一郎社長の取締役選任案が21日に76.65%で可決。182億円の黒字だった日本郵船の内藤忠顕社長は20日に79.92%で可決。それぞれ臨時報告書で明らかになっている。

  シンガポールのヘッジファンド、エフィッシモ キャピタル マネージメントは、川崎船株式を昨年9月から徐々に買い増している。財務省に提出した6月21日付の大量保有報告書では34.22%まで買い進め、筆頭株主となっている。エフィッシモは、物言う株主として知られた旧「村上ファンド」の幹部が設立した投資会社。総会でエフィッシモによる株式大量保有に関連した質問は出なかった。エフィッシモは総会での投票についてのブルームバーグの取材に、これまでに回答していない。川崎船の広報担当は個別の株主の投票についてコメントを控えた。

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