米国債:大幅続伸、英国のEU離脱決定で利回り低下観測

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27日の米国債相場は大幅続伸。英国の欧州連合(EU)離脱決定を受け、安全な資産に引き続き資金が流入した。10年債利回りは前週末に付けたほぼ4年ぶりの低水準となる1.40%に近づく場面もあった。

  英EU離脱の世界経済への影響をめぐる不透明感から米利上げ観測が弱まり、アナリストの米利回り見通しが引き下げられた。30年債利回りは2015年2月以来の水準に低下した。金利先物市場が示唆する年内の利上げ確率はわずか8%。月初には76%あった。

  BMOキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、アーロン・コーリ氏は「これが意味することを全て消化する時間を市場はまだ得ておらず、なお消化中だ。特に長期債利回りを圧迫し続けるような材料になりそうだ。不透明感に対する素晴らしいヘッジとなるため、このような状況ではデュレーション(残存期間)が長くなる債券を買うべきだ」と述べた。

  米国債のストラテジストは数年にわたり、米経済の回復でインフレが高進し、利回りが上昇すると予想してきた。しかし、安全な資産として世界中から需要が強まり、利回りは低下傾向にある。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前週末比12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して1.44%。24日には1.40%をつける場面があった。過去最低は2012年7月に付けた1.379%。30年債利回りは15bp低下の2.26%。

  ドイツ銀行は2016年下半期の10年債利回り見通しを1.25%と、従来の1.75%から引き下げた。同行の米国担当チーフエコノミスト、ジョゼフ・ラボーニャ氏は下方修正について、米経済成長の停滞とは関係があるが、英国のEU離脱とはあまり関係がないと指摘。「景気は循環的に上向きの勢いを失った。景気拡大局面は8年に及んでおり、さまざまな指標がピークを示唆しているように見える。金利はゼロ近辺にあり、間違いを犯す余裕はない。金融政策は動きがとれない状態だ」と語った。

  プリヤ・ミスラ氏らTDセキュリティーズのストラテジストは10年債利回りの予想を2.1%から1.40%に下方修正。英国民投票からの経済的な感染リスクを理由に挙げた。バンク・オブ・アメリカは第3四半期の見通しを1.25%と過去最低を予想。第4四半期を1.50%と予想した。

  金利先物市場が示す利上げ確率が低下する中、年内の利下げ確率は22%となっている。

原題:Rates Strategists Tear Up Calls as Bonds Surge on Brexit Fallout(抜粋)

(第2段落以降を追加し、更新します.)
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