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国債利回りが軒並み過去最低更新、プラス金利買いで全年限0.1%割れ

更新日時
  • 国内勢主導、四半期末に向けて超長期債を積み増す動き-野村証
  • 英EU離脱懸念、7月の日銀緩和は避けられずの見方-JPモルガン

債券相場は上昇。新発10年物をはじめ、国債利回りが軒並み過去最低水準を更新し、すべての年限が0.1%を下回った。英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けた金融市場の混乱でリスク回避の買いが続いた上、四半期末決算を控えて金利がプラス圏にある超長期債への買いが相場全体を押し上げた。

  28日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.205%で開始し、その後マイナス0.23%まで下げ、過去最低を記録した。新発20年物の157回債利回りは2.5bp低い0.055%と最低を更新して始まり、0.04%まで低下。新発30年物の51回債利回りは4.5bp低い0.05%と、連日で最低更新。新発40年物の9回債利回りは一時0.065%と、17日に記録したこれまでの最低水準0.195%を大幅に下回った。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「国内勢の買い主導で金利が低下している。英国のEU離脱というよりも、四半期末に向けて超長期債の残高を積み増す動きの方が大きいのではないか」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比横ばいの152円61銭で取引を開始した。直後から水準を切り上げ、午前は152円85銭まで上昇。午後はいったん上げ幅を縮小したが、再び買い優勢の展開となり、一時152円95銭と史上最高値を更新。結局28銭高の152円89銭で終えた。

長期国債先物の日中取引推移

  損害保険ジャパン日本興亜の石崎竜也グループリーダーは、「前週末の英国のEU離脱を受けて、不透明要因が払しょくできない。世界的に債券は買われやすい地合いが続いており、金利は上がりにくい」と話した。

  27日の米国債市場では、10年物国債利回りが前週末比12ベーシスポイント(bp)低い1.44%程度に低下し、前週末に付けたほぼ4年ぶりの低水準1.40%に近づく場面があった。ドイツ10年物国債利回りもマイナス幅を拡大しており、欧米の債券市場でも安全資産への資金流入が続いている。

  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「英国のEU離脱に対する懸念が強まっている。円高・株安で、7月の日銀追加緩和は避けられないとの見方につながっている」と指摘。損害保険ジャパン日本興亜の石崎氏も、「臨時会合も含めて、日銀の追加緩和の可能性が高まっており、一段と金利低下しやすい」との見方を示した。

2年債入札

  財務省が午後発表した表面利率0.1%の2年利付国債(366回債)の入札結果によると、平均落札利回りがマイナス0.299%、最高落札利回りがマイナス0.295%と、ともに過去最低を更新した。最低落札価格は100円79銭5厘と予想を5厘上回った。小さいと好調な入札を示すテールは8厘と前回の3厘から拡大。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は4.96倍と前回の5.52倍から低下した。

  日本相互証券によると、2年物の366回債利回りは一時マイナス0.30%まで低下。新発2年債利回りとして過去最低水準を更新した。

  野村証の中島氏は、2年債入札について、「応札倍率5倍程度でテールも流れておらず、普通に通過した。利回り曲線上でみても2年債は割高なわけではない」と指摘。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)でみると、「日銀の利下げを0.4%まで確率を織り込んでおり、現行水準でも買えないわけではない」と言う。

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