投資銀行業界、英EU離脱の混乱が追い打ち-M&Aや起債減少も

  • 相場変動によるトレーディング収益への好影響は継続しない見込み
  • 顧客による合併・買収や大型起債は保留となる公算大

英国による欧州連合(EU)離脱の選択は、投資銀行業界にとって最もありがたくない出来事だった。

  英国民投票での予想外の離脱派勝利を受け、24日の金融・証券市場ではポンドなどの通貨が売られ、各国の株価指数が急落した。既に業績改善の取り組みで苦戦していた証券会社にとってさらに厳しい時期の到来を告げるものとなった。当初の混乱で利益を上げたトレーディングデスクもあったが、今後数カ月にわたる継続的な市場のボラティリティ(変動性)はトレーディング業務の利益を圧迫するリスクとなる。英国が今後、諸外国との新たな関係構築に向け交渉を進める間、合併・買収(M&A)の助言や資金調達で銀行を起用する企業も数年間にわたって不確実性と向き合うことになる。

  米欧のアナリストらは、経済・政治の不透明感や通貨変動が証券発行や大型M&A案件の妨げとなるとして大手投資銀行の収益見通しを引き下げた。サンフォード・C・バーンスティーンのアナリスト、チランタン・バルア氏の試算によると、こうした業務で稼ぐ手数料収入は「急減」する見込みで、今年は欧州の銀行で30%余り落ち込む公算が大きい。シティグループとJPモルガン・チェースのアナリストらも英国と欧州の引き受けの件数減少を予想している。

  ジェフリーズ・インターナショナルのアナリスト、ジョセフ・ディッカーソン氏(ロンドン在勤)は「こうした不確実性を踏まえると、発行市場では株式や債務のディールの多くが保留になるだろう」と語った。

原題:Reeling Investment Banks Hit by Brexit Era of Turmoil, Few Deals(抜粋)

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