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英国で人種差別や過激思想表面化か-仏人やポーランド人に「出てけ」

  • 国民投票がもたらした副作用、寛容さ失う英社会の現実を投影
  • ソーシャルメディアに嫌がらせの報告相次ぐ

23日の国民投票で欧州連合(EU)離脱が決定した英国では、直後の週末に人種差別的な嫌がらせが相次いだ。投票結果を受けて社会に潜む過激思想が勢いづいているのではないかと英国民は危惧している。

  ロンドン警視庁の報道官が26日述べたところによると、同市西部にある市民センターのポーランド社会文化協会で「人種」が動機とみられる事件が報告された。壁や窓に「故郷に帰れ」という落書きがあったとツイッターに投稿されている。また、イングランド東部ケンブリッジシャーでは、小学校の外に「EU離脱、これでもうポーランドの奴らはいなくなる」と書かれた複数のビラが残され、警察が調べているとイブニング・スタンダード紙が報じた。

  EU離脱派が外国人嫌悪をあおっているとされた国民投票キャンペーン後のこうした嫌がらせで、英国社会が寛容さを失いつつあるのではないかとの懸念が増しそうだ。残留、離脱どちらの側も政治家は市民に冷静さを呼び掛け、投票結果は欧州などからの移民に対する偏見を反映しているわけではないと強調しているが、一部は確信を持てないでいる。

UK SCHOOLS

人種差別的嫌がらせは学校でも報告されている

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg News

  イングランド銀行(英中銀)の金融政策委員会(MPC)委員を務めた経歴を持ち、現在は米ピーターソン国際経済研究所の所長であるアダム・ポーゼン氏は、「英国で人種差別的な雰囲気や政策が強まりつつあることは間違いない」と話す。

  一部の嫌がらせは人種のるつぼであるロンドン中心部でも起きている。26歳のフランス人男性セバスティエンさんは24日、ケンジントン地区を友人女性とパリから来英していたその友人の母親と散歩していた。すると、自分たちがフランス語を話しているのを犬を散歩中の男性が聞きつけ、「出てけ、出てけ」と叫んだという。報復を恐れてセバスティエンさんは名字を明かさなかった。

  ロンドンの弁護士で労働党支持者のジャスビル・シン氏は、「憎悪の感情を吐き出すのに国民投票の結果を利用できると感じている声の大きな少数派が存在している」と述べた。

  人種差別的な出来事は学校でも報告されているほか、老齢の女性が赤ちゃん連れの若いポーランド人女性にバスを降りて荷造りをするよう告げたり、バーミンガムで男たちがイスラム教徒の女性を取り囲んで「出ていけ、おれたちは離脱を選んだんだ」と叫んだ様子を目撃したなどとの投稿もフェイスブックやツイッターに寄せられている。

原題:Racist Incidents Have U.K. Worried What Referendum Wrought (1)(抜粋)

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