日本株反発、英ショック安反動でディフェンシブ上げ-1万5000円戻す

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27日の東京株式相場は反発し、日経平均株価は心理的節目の1万5000円台に戻した。英国の欧州連合(EU)離脱判断を受けたショック安の反動、各国政策協調を見込む買いが入り、陸運や医薬品や食料品、情報・通信株など景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ業種が高い。

  TOPIXの終値は前週末比21.28ポイント(1.8%)高の1225.76、日経平均株価は357円19銭(2.4%)高の1万5309円21銭。

  DIAMアセットマネジメントの坪田好人上席ポートフォリオマネジャーは、「日本株は前週末に為替の影響で余分に売られており、その反動で戻ってきている」と分析。なお予断は許さないが、「過去に経験則がなく、確信を持って動くことができないだけに売り込めもしない。G7の対応など何か対応策が打たれる期待感もある」と話した。

東証の市況ボード

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  英国の国民投票でEU離脱派が勝利したことを受け、主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁は24日夜に電話会談し、市場の不測の混乱に備え各国と緊密に協議、適切に協力する決意を表明した。イングランド銀行のカーニー総裁は数千億ポンドを金融システムに注入する用意があるとの意向を示し、欧州中央銀行(ECB)は銀行が必要とする資金を全額供給することを打ち出した。

  国内では、政府・日本銀行は金融市場安定化のための緊急会合を27日午前に官邸で開き、安倍晋三首相は日銀と連携し金融市場の動きを注視するよう麻生太郎財務相に指示した。日銀には、G7で連携して市場の流動性を確保するよう要請。世耕弘成官房副長官は会見で、実体経済への影響は中長期的に現れてくる可能性があるとし、秋に予定されている経済対策の規模や実施時期について今後政府内で詰めていくとの認識を示した。

  豪AMPキャピタル・インベスターズの投資戦略責任者、シェーン・オリバー氏は「さらに円高になれば、介入するという許可が出ているようだ。欧州ではさらなる金融緩和と流動性拡大策が出るかもしれない」と話す。

  24日の世界株は軒並み急落し、米ダウ工業株30種平均は600ドル以上売られ、欧州ではイタリアやスペインが10%以上安く、ストックス欧州600指数は7%安と2008年以来の大幅安。特に、英投票結果の影響をいち早く受けた日本株は米国以上に売り込まれ、日経平均は1286円安、下落率は7.9%で下げ幅は16年ぶりの大きさだった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の折見世記シニア投資ストラテジストは、「他の市場が日本ほど下げず、オーバーリアクションの修正が入った。株価水準も企業業績の下方修正リスクをかなり織り込んだ状況だった」と言う。

  きょうのドル・円は、1ドル=101円40銭台ー102円40銭台で推移。前週末には、一時2年超ぶりに一時1ドル=100円を割り込む円高加速場面があったものの、急激な円高の勢いはひとまず止まっている。DIAMの坪田氏は、「為替が100円を大きく割れていかなければ、外需セクターも下値リスクを織り込んだ水準まで下がってきたので、もう一段の売りはない」との見方を示した。

  東証1部33業種はパルプ・紙、陸運、医薬品、食料品、通信、電気・ガス、建設、小売、サービスなど22業種が上昇。証券・商品先物取引、鉱業、輸送用機器、鉄鋼、銀行、その他金融、保険、海運など11業種は下落。相対的に内需が上げ、輸出や金融、素材が下げた。東証1部の売買高は22億8285万株、売買代金は2兆3094億円。上昇銘柄数は1570、下落は335。

  売買代金上位ではNTTやKDDI、JT、ファーストリテイリング、NTTドコモ、アステラス製薬、キーエンス、東京エレクトロン、花王、セブン&アイ・ホールディングス、武田薬品工業、JR東海、ニトリホールディングス、明治ホールディングスが高い。半面、トヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループ、日産自動車、野村ホールディングス、オリックス、日立製作所、コマツ、アルプス電気、新日鉄住金は安い。野村証券が投資判断を下げた欧州関連銘柄のマツダは大幅続落。

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