20年債と30年債利回りが過去最低、英EU離脱で不透明感強いとの見方

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  • 新発20年債利回り0.08%、30年債利回り0.11%
  • 需給逼迫や景気懸念でフラット化の流れじりじり続く-バークレイズ

債券市場では超長期債相場が上昇。新発20年物と30年物の国債利回りは過去最低水準を更新した。英国の欧州連合(EU)からの離脱決定を受けて前週末に金利が急低下した反動の売りが先行したものの、その後は根強い先行き不透明感や需給逼迫(ひっぱく)感を背景に買いが優勢となった。

  27日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.185%で開始。午後に入ると一時マイナス0.215%と、前週末に付けた過去最低水準に並んだ。その後はマイナス0.20%で推移している。新発20年物の157回債利回りは2.5bp低い0.08%、新発30年物の51回債利回りは2bp低い0.11%と、ともに過去最低を更新した。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「英EU離脱決定後のリスクセンチメント悪化を背景にした急激な金利低下というところはいったん終わった」とし、朝方にかけては高値警戒感から売られる局面もあったと説明。半面、日本銀行によるオペの結果が強かったほか、来月12日の30年債入札まで超長期債セクターの入札がないことから、「長い年限というのは需給的に逼迫しやすい」と言い、「緩やかながらもフラット化の流れがじりじり続く」とみる。

  日銀はこの日、今月9回目となる長期国債買い入れオペを実施した。応札倍率は残存期間「5年超10年以下」が2.05倍と前回の2.13倍を下回った。一方、「物価連動債」は7.55倍と、前回の5.83倍を上回った。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「結局、Brexit(英国のEU離脱)を受けたグローバルな景気低迷懸念や日銀の追加緩和期待がある中で、債券相場はしっかりとなりやすい」とし、「プラスの利回りがあるものを買えるうちに買っておくという動きもあるのかもしれない」と話した。

先物は反落

  長期国債先物市場で中心限月の9月物は、前週末比13銭安の152円55銭で取引を開始し、152円50銭まで下落した。その後は水準を切り上げ、一時は13銭高の152円81銭まで上昇する場面があった。午後の取引にかけては再び下げに転じ、結局は7銭安の152円61銭で引けた。

  24日の海外市場では米国債相場が急伸し、10年債利回りは一時1.40%と、2012年7月に記録した過去最低の1.38%に接近し、その後は1.56%まで戻した。ドイツの10年債利回りはマイナス0.17%と過去最低を記録した後、マイナス0.05%まで切り上げた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「週末の混乱が落ち着いた印象で、リスク回避の円債買いも一服している。もし、円高・株安・債券高が続いていたら主要7カ国(G7)協調なり日本単独なりの為替介入など何かしらの動きが想定されたが、切迫感がいったん和らいでいる」と言う。

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