6月24日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:円急伸、英国のEU離脱選択で逃避需要が加速

24日のニューヨーク外国為替市場で円が急伸。英国が国民投票で欧 州連合(EU)離脱を選んだことを受けて質への逃避が加速し、アジア 時間には2013年11月以来初めて1ドル=100円を超え円高が進んだ。

円はアジア時間に一時7.2%高の1ドル=99円02銭となった。英国 のEU離脱決定を受けて安全を求める動きが強まり、円は主要31通貨全 てに対して値上がりした。今年に入ってからの円上昇で、日本銀行によ る過去最大規模の量的緩和の効果の多くが消える恐れがある中、投資家 やアナリストは1ドル=100円を超えて円高が進んだ場合、日本の当局 に円売り介入の圧力がかかると指摘している。日銀の黒田東彦総裁はこ の日、「流動性の供給に万全を期すことを通じ、金融市場の安定確保に 努めていく」との声明を発表した。

メロン・キャピタルの投資戦略責任者、シネイド・コルトン氏は 「これまで見られたような市場の動きは、2008年の金融危機の際に見ら れた動きを想起させる部分がある」と指摘。「強い不確実性が今後広が り、当社の予想としては少なくとも向こう数日に関してはリスクオフの 動きが続き」、円やスイス・フランを押し上げると予想した。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比3.7%高の1 ドル=102円22銭。主要31通貨に対しては3-11%の上昇率となった。 ポンドに対しては一時18%高の1ポンド=133円31銭を付けた。この上 昇率は少なくとも1971年以降で最大。

円は4年連続で下落した後、今年に入りこれまで対ドルで17%上昇 し、先進国通貨の中で最高のパフォーマンスとなっている。年初の時点 では、世界の2大経済大国である中国と米国が向かい風の克服に苦慮す るとの観測から円は買われていた。

アバディーン・アセット・マネジメントの投資マネジャー、ジェー ムズ・エイシー氏は「安全を求める動きから1ドル=100円を試す展開 が見られる可能性がある」と話した。

またHSBCホールディングスの米通貨戦略責任者、ダラフ・マー 氏(ニューヨーク在勤)は「円が最大の勝者だ」とし、「為替市場の反 応は非常に理にかなっている。ポンドが最大の敗者で、ユーロも下げて いる。リスクオンの通貨は全て厳しい展開だ」と述べた。

原題:Yen Surges Past 100 Per Dollar as U.K. Vote Spurs Rush to Safety(抜粋)

◎米国株:急落、ダウ平均は610ドル安-英国のEU離脱で

24日の米株式相場は10カ月ぶりの大幅安。英国が欧州連合(EU) からの離脱を決定したため、世界的に成長が抑制されるとの見方からリ スク資産が売り浴びせられた。

米国株は午後に下げ足を速め、ダウ工業株30種平均の下げ幅は600 ドルを超えた。S&P500種株価指数は過去2カ月の下落局面で支持線 となっていた2050を割り込むと、下げ幅を拡大した。銀行株と工業株は 1営業日としては約4年ぶりの大幅安。

ポイント72アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、ディー ン・マキ氏は「市場参加者が懸念するのも無理はない。これはまさにリ スク回避の出来事だ。この結果、成長が弱くなる可能性が高く、市場が それに反応しているのは当然だ。輸出は弱くなる可能性が高く、企業業 績は輸出の関数の一つだ。米輸出企業は再びドル高への対応を迫られる だろう」と述べた。

S&P500種株価指数は前日比3.6%安い2037.41ポイントで終了。 昨年8月24日以来の大幅安となった。週間では1.6%下げ、年初来の上 昇分を失った。ダウ工業株30種平均は610.32ドル(3.4%)下落 し17400.75で終えた。ナスダック総合指数は4.1%下落し、ほぼ5年ぶ りの大幅安。

ブックメーカーのオッズが離脱は25%未満と示唆していたことか ら、過去1週間にリスク資産に投資していた多くの投資家は離脱派の勝 利に驚かされた。S&P500種は今週、投票結果が発表されるまでに 2%上昇していた。ポンドは30年ぶりの大幅安となり、欧州株も下げ た。

世界の中央銀行は金融市場の流動性維持のため必要な措置を取る決 意を示した。イングランド銀行のカーニー総裁は数千億ポンドを金融シ ステムに注入する用意があると表明。欧州中央銀行(ECB)は銀行が 必要とする資金を全額供給することを打ち出した。米連邦準備制度理事 会(FRB)は世界の金融市場の動向を「注意深く監視している」と表 明した。

この日はFTSEラッセルによる指数の年次リバランス(構成銘柄 の変更)もあった。2015年はこの影響で出来高が100億株余りに膨ら み、同年の出来高で7位となった。

銀行株は急落。シティグループは9.4%下落し、4年ぶりの大幅 安。JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスも少なくと も2012年以来の大幅な下げとなった。ダウ平均の構成ではキャタピラー とボーイングの下げが目立った。

ソラリス・アセット・マネジメントのティモシー・グリスキー最高 投資責任者(CIO)は「英国に投資していない多くの米企業にとって は恐らく基本的に影響ないだろう。ただ、利上げ見送りの期間が実際に は分からないにしても、やや長引くとみられることから、金融のような セクターには影響する」と話した。

S&P500種の10セクターのうち、9セクターが下げた。前日に4 月以来の大幅高となっていた金融は4年ぶりの大幅な下げ。工業株や情 報技術、素材は2011年以来の大幅安。公益事業はほぼ変わらず。

原題:U.S. Stocks Tumble the Most in 10 Months After U.K. Brexit Vote(抜粋)

◎米国債:急伸、英・EU離脱決定で米利上げ観測吹き飛ぶ

24日の米国債相場は急反発。10年債利回りはほぼ5年ぶりの大幅な 下げとなった。英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を選択したこと を受け、安全とされる資産に資金が押し寄せた。

市場にストレスがかかったときの典型的な逃避先である米国債は、 年限を問わず買いを集め、利回りは大きく下げた。金利先物市場は少な くとも2年は米金利の引き上げはないとの見方を織り込んでおり、年内 利下げの確率は11%に上昇した。

英国民投票前に発表された世論調査では接戦が予想されていたた め、実際に離脱が選択されたことに金融市場は衝撃を受けた。ブルーム バーグ米国債指数に基づくと、米国債は年初から4.7%のリターンをも たらした。

イーグル・アセット・マネジメント(フロリダ州セントピータース バーグ)の債券ディレクター、ジェームズ・キャンプ氏は「米金融政策 は無期限の据え置きだ。いつまでもこの状態が続く」と話す。「米国債 利回りは1.25%に向けて猛進を続けるだろう。1%もあり得る。向こう 数四半期で実現する可能性もある。巨大な規模でシフトが起きている。 これに対して中央銀行に何ができるだろうか。銃弾は残っているのだろ うか」と問いかけた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨ ーク時間午後5時現在の10年債利回りは19ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)下げて1.56%。10年債(表面利率1.625%、2026年5月 償還)価格は1 22/32上昇の100 19/32。利回りは一時1.4%まで下 げ、2012年7月に記録した過去最低の1.38%に近づいた。

ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメント部門の債券取引 責任者、ゲーリー・ポラック氏(ニューヨーク在勤)は「利回りはこの 先もじわじわと下げ続けるだろう」と話す。「10年債利回りは夏が終わ るまでに1.25%になる可能性もある。世界経済の減速と安全への逃避を 反映した動きだ」と述べた。

米金融政策見通しへの感度が高い2年債は利回りが28bp下げた 後、相場は伸び悩んだ。2年債利回りは0.63%で引け、昨年10月以来の 低水準。米連邦公開市場委員会(FOMC)はその2カ月後に、ほぼ10 年ぶりの利上げに踏み切った。

MCAP(ニューヨーク)の債券責任者、マイク・フランゼーゼ氏 は「誰の目にも明らかな問題は、FOMCが今後どうするのかという疑 問だ」と話す。「引き締めバイアスを中立に戻すのか、もしくは利下げ を再開するのだろうか」と問いかけた。

原題:Treasuries Surge With Global Bonds as Brexit Seen Sidelining Fed(抜粋)

◎NY金:急伸、2年ぶり高値-英EU離脱で質への逃避買い

24日のニューヨーク金先物相場は大幅反発し、2年ぶりの高値とな った。英国の欧州連合(EU)離脱による経済的影響が懸念された。

ドイツのバーデン・ビュルテンベルク州立銀行の商品アナリスト、 トールステン・プロッテル氏は「英国民投票が米利上げの可能性を低下 させた」と電子メールで指摘。同氏は同投票の結果を受けて、第3四半 期(7-9月)の見通しを1350ドルと、従来予想の1300ドルから引き上 げた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は前日 比4.7%高の1オンス=1322.40ドルで終了。一時は7.9%上昇の1362.60 ドルと、2014年3月以来の高値をつけた。

原題:Gold Rally Isn’t Over as Buyers Seek Haven From Brexit Aftermath(抜粋)

◎NY原油:急反落、英離脱で-影響長期化しないとの見方も

24日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が急反落。英国が国民投票で欧州連合 (EU)離脱を選択したことを受け、世界的にリスク資産から資金が逃 避し、商品全般が売りを浴びた。市場では各国政府がこの波乱に歯止め をかけることができるのかどうか注目している。

ソシエテ・ジェネラルの石油市場調査責任者、マイケル・ウィトナ ー氏(ニューヨーク在勤)は「市場はまず、リスク回避という反応を見 せた」と指摘。「今は大きな値動きだが、長期的には大した打撃にはな らないと思う」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日 比2.47ドル(4.93%)安い1バレル=47.64ドル。2月9日以来の大幅 な値下がりとなった。ロンドンICEのブレント8月限は2.50ドル下げ て48.41ドル。

原題:Oil Tumbles After Brexit Vote as Traders Assess Lasting Impact(抜粋)

◎欧州株:2008年以来の大幅安、英EU離脱で-英株は3.2%下落

24日の欧州株式相場は急落。英国が国民投票で欧州連合(EU)離 脱を選んだことを受け、EU残留への楽観から前日まで5日続伸してい たストックス欧州600指数は、世界的な金融危機以来の大幅安となっ た。

欧州株の代表的な指数であるストックス600指数は前日比7%安 の321.98で終了。英国株の指標であるFTSE100指数は3.2%下落。一 時は8.7%安まで沈んだものの、ポンド急落で輸出株が買われ下げ幅を 縮めた。国民投票の最終結果によれば、離脱支持が52%となった。これ を受けてキャメロン英首相は辞意を表明した。

ストックス600指数の業種別19指数全てが下落し、とりわけ銀行株 と保険株が大きく下げた。この日の出来高は30日平均をほぼ4倍上回る 水準。英国株の出来高は約5倍膨らんだ。ユーロ圏の株価下落に備えた オプションの費用に連動するVストックス指数は11%上昇。一時は32% 上昇した。

バンクハウス・ランプ(デュッセルドルフ)のストラテジスト、ラ ルフ・ツィマーマン氏は「歴史的な出来事で、未知の領域に踏み込みつ つある」とし、「向こう数日は大きなボラティリティを見込んでいる。 銀行が最も打撃を受けるだろう。英国経済への打撃の度合いや欧州他国 が後に続くかどうかなど、長期にわたって不安定な局面にある」と語っ た。

原題:European Stocks Post Worst Drop Since 2008 as U.K. Votes Leave(抜粋)

◎欧州債:スペイン債下落、独債との利回り差拡大-英EU離脱で

24日の欧州債市場でスペインとイタリアの国債が下落。英国が国民 投票で欧州連合(EU)離脱を選んだことを受けて、世界的に低格付け 債や株式が売られる一方で、質への逃避からドイツ債は上昇した。

スペイン10年債のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッ ド)は欧州中央銀行(ECB)が債券購入プログラムを開始した2015年 3月以前の水準に広がった。域内で比較的安全とされるドイツ国債の需 要が高まり、同国債の10年物利回りは過去最低を更新した。

オッズチェッカーが各社の賭け率を集計・算出した指数によれば EU離脱の確率は23日にわずか23%だったため、英国のEU離脱選択 で24日の世界金融市場は大荒れの展開となった。残留支持派を率いたキ ャメロン英首相は投票結果を受けて、辞意を表明した。

DZ銀行(フランクフルト)の債券ストラテジスト、クリスティア ン・レンク氏は世論調査が投票結果の拮抗(きっこう)を示唆していた ことから市場は「油断」していたとし、「結果は僅差だったが、極めて 明らかだ。明らかなリスクオフのセンチメントで、現在は価格再設定の 動きがみられる」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、スペイン10年債利回りは前日比17ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.63%。一時は1.83% と、2月11日以来の高水準に達した。同国債(表面利率1.95%、2026年 4月償還)価格は1.53下げ102.87。

ドイツ債とのスプレッドは31bp拡大の168bpと、2014年3月以 降の最大。ドイツ10年債利回りは14bp低下しマイナス0.05%。一時は 過去最低のマイナス0.17%となった。

原題:Spanish, Italian Bonds Tumble as U.K. Vote Punishes Peripherals(抜粋)

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