英がEU離脱へ、国民が歴史的決別選択-キャメロン首相辞意表明

更新日時
  • ポンドは11%安と過去最大の下落、金は上昇
  • 首相辞意表明でジョンソン前ロンドン市長の次の一手に注目

英国は23日実施の国民投票で、欧州連合(EU)離脱を選択した。40年余り前に加盟した英国の離脱で、欧州の戦後の政治・経済的枠組みが崩れることになった。キャメロン首相は辞意を表明した。

  驚きの結果を受けて世界の市場は動揺。ポンドは1985年以来の安値に下落し、アジアと欧州の株式相場も下げた。ロンドン時間24日午前7時(日本時間午後3時)過ぎに最終結果が発表され、離脱支持が52%、残留支持が48%で離脱が確定した。残留支持派は100万票以上の差で敗北した。

  キャメロン首相は官邸前で記者会見し「英国民は別の道を行くことを明確に選択した。従って、英国をその方向で導いていく新しいリーダーが必要だと考える」と語った。今後3カ月は続投し、10月までに次の首相にバトンを渡す意向を明らかにした。

離脱ショックで世界の株価が下落

Bloomberg

  英国はこれから数年をかけてEUと離脱の条件を交渉していくことになる。来週のEU首脳会議がその最初の場となる見込みだ。リセッション(景気後退)の可能性や銀行業界の雇用が失われる恐れなど、離脱を選択したことによる経済や金融面での結果を直視しなければならない。

  離脱派を率いたボリス・ジョンソン前ロンドン市長にとっては勝利で、次期首相への道が開けた可能性もある。ただ、スコットランド独立の機運が再燃する可能性や残留支持だった首都ロンドンとの亀裂など問題もありそうだ。この日は前市長がロンドン北部の自宅前に姿を見せるとやじが飛んだ。

  EU離脱の動きが他の加盟国に広がるとの観測が強まるとみられるほか、米大統領選挙で共和党候補の指名獲得を確実にしている不動産王ドナルド・トランプ氏らポピュリスト(大衆迎合主義者)政治家が勢い付きそうだ。

  ホワイトハウスによれば、オバマ米大統領は24日中にキャメロン首相と対話する計画。欧州各国も臨時閣議を開いて対応を検討している。

混乱

  市場の混乱は2008-09年の金融危機を想起させる。ポンドは一時1ポンド=1.3229ドルを付けた。幾分戻したものの依然、1日として過去最大の下げを記録する見通しだ。原油相場は4.1%下げる一方で、金は4.8%高を付けた。FTSE100種株価指数は4.2%安

  金融当局はダメージコントロールを開始した。イングランド銀行(英中央銀行)は「状況を厳密に監視している」とし、安定確保のために必要な措置を取ると表明した。利下げや量的緩和再開に追い込まれる可能性もある。スイス国立銀行(中銀)はフラン相場安定のため市場介入を実施した。米金融当局は利上げを先送りする可能性がある。

  今回の国民投票の結果は英国のエスタブリッシュメント(支配層)に挑戦した政治家や企業幹部の勝利を意味する。保守党のジョンソン前ロンドン市長やゴーブ司法相はキャメロン首相と袂(たもと)を分かち、英国独立党(UKIP)と緩やかに連携した。

  UKIPのファラージュ党首は「6月23日を英国の独立記念日として歴史に記録しよう」と勝利を宣言した。

  英国および他の欧州諸国の政治家は前例のない状況の中を手探りで進むことになるため、今後の動きは不透明だ。キャメロン首相は離脱をめぐる交渉を新首相が就任してから開始する意向を示したが、離脱を迅速に完了させたい姿勢のドイツと対立しそうだ。

  ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領は24日午前に短時間の対話を持った。他の国が追随しないよう、離脱条件を厳しくすることを求める加盟国もあるとみられ、独仏首脳の判断が注目される。

原題:U.K. Votes for Brexit in Historic Rupture of Postwar Order (1)(抜粋)
U.K. Backs Brexit as Cameron Resigns After Historic Rupture (1)

(相場を更新しファラージュ党首のコメントなどを追加します.)
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