長期金利が過去最低を更新、英EU離脱確定で買い優勢-30年物も最低

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  • 新発10年債利回りマイナス0.215%、新発30年債利回り0.125%
  • 先物は一時78銭高の152円91銭まで上昇、史上最高値を更新

債券相場は上昇。新発10年物や30年物の国債利回りが過去最低水準を更新した。英国の国民投票で欧州連合(EU)離脱が確定的となり、リスク回避に伴う債券買いの動きが強まった。

  24日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.135%で開始。午後に入るとマイナス0.215%まで下げ、最低水準を記録した。新発30年物の51回債利回りは一時8bp低い0.125%と、16日に記録した最低水準0.15%を下回った。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「予想外の離脱というブラックスワン的なイベントが起こってしまった。来週も神経質な相場が続くとみられる。市場をみてもみな、残留で金利が上昇したところを買うというスタンスだったとみられ、英EU離脱に対応できておらず、ポジションを作りきれていない。より日銀の追加緩和を意識した相場になっていきそうだ」と話した。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比3銭安の152円10銭で取引を開始し、いったんは152円00銭まで下落した。その後は離脱優勢との観測を背景に水準を切り上げ、一時は78銭高の152円91銭まで上昇し、史上最高値を更新した。結局は55銭高の152円68銭で引けた。

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、「市場の予想は残留派の勝利だったので、インパクトが大きい」と指摘。「スコットランドの国民投票が再燃する可能性が高いし、英国は普通の国になっていくのだろう。英離脱を受けて欧州大陸がどうなっていくかの方が、日本経済にとっての影響は大きい」と話した。

  英国で23日実施されたEU残留・離脱を問う国民投票は、離脱支持の過半数が確実になった。EU加盟から40年余りを経て、同国の有権者は欧州に戦後確立された政治・経済的秩序を拒否するという驚くべき選択を下したことになる。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、来週の債券相場について、「不安定な金融市場が続くことが見込まれ、これに伴って日銀の追加緩和も視野に入ってくるので、基本的には利回りの低下余地を探る展開」と指摘。「今晩の欧米市場を確認した上で、主要中央銀行の協調姿勢が固まってくるのではないか。米国の利上げは年内1回も難しくなる可能性がある。日銀の買い入れ方針が発表されるが、市場を動揺させるような対応はできるだけ避けるだろう。まずは市場を落ち着かせることが第一だ」と話した。  

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