デリバティブ取引国際規制、日米は予定通り実施方針-欧州が延期

更新日時
  • 米国も9月に導入へ、FRB、FDICはルール統一を支持
  • 日本の金融庁、欧州延期の影響次第では導入次期見直しの可能性も

欧州が導入先送りを決めたデリバティブ取引関連の国際規制について、日本の金融当局は予定通り実施する方針だ。これまでの当局間での協議では日欧米とも9月1日から導入する予定となっていた。米国は欧州の動きを懸念しているが、導入は延期しない見通しだ。

  国際決済銀行(BIS)のバーゼル銀行監督委員会メンバーでもある金融庁の白川俊介参事官は、日本はすでに国内向け証拠金ルールの整備を終えており、「証拠金の授受は銀行の健全性を高めるので、できれば予定通り実施すべきだと考えている」と語った。ただ欧州の延期による影響次第では再考する可能性もあるという。

  規制は2008年のリーマン危機を教訓に、デリバティブ取引のリスクを低減する目的で、主に証券会社が相対で決済する取引(店頭取引)で証拠金の差し入れを義務化するもの。バーゼル銀行委と証券監督者国際機構(IOSCO)が主導し、15年に最終報告書(改訂版)を公表。日米欧は9月導入で合意していた。

  白川参事官は欧州の延期表明を受け「とても残念だ。規制導入は20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)で約束したことであり、安易に延期しては当局への信頼を損なう恐れがある」と懸念を示した。欧州は6月になり延期を公表していた。

米当局「銀行の健全化に資する」

  BISは店頭デリバティブの市場規模を493兆ドル(約5京1518兆円)と推計。米シティグループ、JPモルガン・チェースなどの国際金融グループが主なプレーヤーとなっている。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長は22日、議会証言で国際的ルールは同じにすべきで、欧州の規制導入延期による影響を「注視している」などと述べた。米商品先物取引委員会(CFTC)のティモシー・マサード委員長は、米国では規制導入の遅れはないだろうと見通している。

  米連邦預金保険公社(FDIC)のトーマス・ホーニグ副総裁は、欧州の延期で米銀に対するルールが国外の銀行に比べ相対的に厳しくなったとしても「新たな規制は金融システムのリスクを低減し、米銀の健全化に資する」と述べた。

(第7段落にFDICのホーニグ副総裁の発言を追加しました.)
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