木内日銀委員:実体経済の悪影響に効果的な追加策乏しい-英国民投票

  • 不測の事態にはまず流動性供給、6中銀協定で「かなり対応できる」
  • 日銀追加緩和、技術的に行き詰まってはいないが副作用が勝る

日本銀行の木内登英審議委員は23日午後、金沢市内で会見し、英国の欧州連合(EU)離脱が決まり金融市場が混乱した場合、流動性供給には既存の6中央銀行スワップ協定で「かなり対応できる」との見方を示した。実体経済に悪影響が及んだ場合には追加緩和を議論することになるが、大きな効果を期待できる政策は「なかなか残っていない」と述べた。

  英国では23日にEU離脱の是非を問う国民投票が実施され、日本時間24日に結果が判明する見通し。事前の世論調査では直前まで賛否が拮抗(きっこう)している。

  木内委員は「不測の事態に備えて各中央銀行で意思疎通をしているのは事実だ」と指摘。「英国の国民投票の結果によって金融市場が大きく反応する可能性がある」ものの、そうした場合に中央銀行がまず行うのは流動性の供給であり、6中央銀行の外貨のスワップ協定により、既に十分な手当てはできているとの見方を示した。

  その上で日銀の対応について、「実体経済にすごく悪い影響が及ぶようであれば、通常の金融政策で何か議論するということだとは思うが、個人的には、何らかの策を実施したとしても、実体経済に大きなプラスの影響を与える政策はなかなか残っていないと思っている」と述べた。

  追加緩和について「技術的に何か行き詰まっているわけでは全くない」としながらも、「長い目で見た副作用を上回る効果を期待できる政策は心当たりがなくなっているというのが個人的な考え」であり、金融面のショックから実体経済に悪影響が及ぶ事態になっても、「こういった策が良い、というのは個人的にはあまり思い浮かばない」と語った。

6中央銀行のスワップ協定

  日銀は米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行、カナダ銀行、スイス国民銀行とスワップ協定を結んでいる。木内委員は「邦銀はポンド、ドルについては十分な手当てがされていると思っているが、もちろん不測の事態に備えることも重要だ」と指摘。日銀は6中央銀行の協定に基づき「週1回のドルの供給を行っている」と述べた。

  同スワップ協定は「金融機関の求めに応じて実施するバックストップ的な機能」で、ドルなど外貨に不測の事態が生じれば金融機関が活用するというのが「現時点でわれわれの考えていること」であり、「何か能動的に追加策をやっていくということではない」と語った。

  木内委員はその上で、中央銀行として最終的に重要なのは「信用秩序の維持であり、金融システムの安定」であるとして、流動性供給の役割を強調。外貨の調達についても6中央銀行間の枠組みが非常に強力なので、「かなりこれで対応できる」と述べた。

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