イエレン議長:人種間での資産格差拡大は「極めて憂慮すべき現象」

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は22日、下院金融委員会の議会証言で、米国の人種間での資産格差の拡大は「極めて憂慮すべき現象だ」と述べ、将来的に消費パターンを作り変える可能性があると警告した。

  FRBは議会へ提出した金融政策報告書に「成長の果実は広く共有されてきたのか」と題した特別編を盛り込んだ。それによると、リセッション(景気後退)の際にフルタイム職を失った割合は黒人とヒスパニック系が最も大きかったが、雇用の回復でもこれらの労働者の割合は「かなり落ち込んだ」ままだという。

  同報告書によれば、黒人の家計所得の中央値は2014年までに07年の水準の88%しか回復していない一方、アジア系や白人、ヒスパニック系の家計所得はリセッション前の水準の94%以上に持ち直した。「人種や民族間での所得格差は金融危機前もかなり大きいものだったが、その後も拡大するばかりだ。黒人世帯の家計所得中央値は14年時点で4万ドル(約420万円)だったのに対し、白人世帯は6万7000ドル、アジア系世帯は8万5000ドルだった」という。

  イエレン議長は議会証言で、格差と成長との関係に注目する調査は「率直に言って複雑だ」とし、エコノミストにも良く理解されていないと指摘。「1つの関連性は、高所得者が低所得者よりも収入に占める支出の割合が少ないため、格差拡大が個人消費の伸びを抑える可能性があることだ」と説明し、成長に長期的影響をもたらし得る教育や訓練の機会という面での関連性もあるかもしれないと付け加えた。

  議長は「われわれは理解し始めたばかりだと思う」と話し、格差拡大は「極めて憂慮すべき現象だ」と語った。

原題:Yellen Calls Widening Racial Wealth Gap ‘Extremely Disturbing’(抜粋)

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