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日本株上昇、輸出や鉄鋼、海運高い-英離脱懸念が後退、やや円安も

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23日の東京株式相場は反発。欧州連合(EU)の残留・離脱を問う英国国民投票が直前に迫る中、リスク回避の反動買いが先行、為替の落ち着きも好感された。輸送用機器など輸出株や海運株、銀行など金融株中心に高く、中国市況の大幅高を受けた鉄鋼株は業種別上昇率でトップ。

  TOPIXの終値は前日比14.10ポイント(1.1%)高の1298.71、日経平均株価は172円63銭(1.1%)高の1万6238円35銭。東証1部の売買代金は、5月30日に次ぐことし2番目の低水準。

  三菱UFJ国際投信の向吉善秀シニアエコノミストは、「リスク回避の継続や為替の円高への振れ過ぎから日本株はかなり割安になってきている。逆の動きが起きれば、短期的には日本のパフォーマンスが最も良いとの見方がある」と指摘。一方で、先進国の成長率が鈍るなど「さまざまな不満が募った結果、負の循環が始まっている可能性がある。今後もマイナスのイベントは次々と出てくる」との認識も示した。

  23日実施の英国民投票はロンドン時間午前7時(日本時間午後3時)に始まり、午後10時に締め切られる。24日午前0時ごろには英領ジブラルタルとイングランド西端のシリー諸島から最初の開票結果が判明し、日本時間24日午前に大勢が判明する見通しだ。

  この日の為替市場ではポンドが対ドルで一時0.9%高の1.4844ドルと上昇、昨年12月以来の高値を付けた。ドル・円は1ドル=104円70銭台を中心に推移、前日の日本株終値時点104円53銭に比べ落ち着いた動きとなった。

  きょうの日本株は、寄り付き直後こそ前日終値を挟み方向感に乏しかったが、午前半ば以降はじりじりと上げ、午後は一段高となった。東洋証券マーケット支援部の檜和田浩昭ストラテジストは、「英国民投票では最悪の場合でも各国中央銀行が流動性を供給するため、イベント終了後も極端な不安感はない。あすは短期筋の買い戻しが株価を押し上げる可能性がある」とみる。

Opposition Labour Party Leader Jeremy Corbyn Calls On Voters To Back Remain

カーン・ロンドン市長とEU残留キャンペーン

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  もっとも、東証1部の売買代金は前日に比べ7.9%減少し、ことし最低だった5月30日の1兆5605億円に次ぐ低さと市場参加者の間で様子見ムードも強かった。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、英国の「世論調査は五分五分で拮抗している上、調査対象も数千人程度で、結果を見なければ分からない」と指摘。仮に残留決定でも現状維持に過ぎず、それだけで株高材料になり切れないため、投票後は「米景気や利上げ時期などのファンダメンタルズを判断する相場に再び戻り、明確なトレンドは出ないだろう」と予想した。

  東証1部33業種は鉄鋼、海運、鉱業、輸送用機器、銀行、証券・商品先物取引、保険、非鉄金属、機械、倉庫・運輸など30業種が上昇。食料品や医薬品、水産・農林の3業種は下落。東証1部の売買高は16億4188万株、売買代金は1兆5701億円。上昇銘柄数は1285、下落556。

  売買代金上位ではトヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループ、ファーストリテイリング、マツダ、ファナック、ブイ・テクノロジー、日立製作所、新日鉄住金、IHIが上げ、6月既存店売上高が前年同月比20%増だったニトリホールディングスも高い。半面、UBS証券が投資判断を「売り」に下げたオリエンタルランドは売られ、KDDIや小野薬品工業、味の素、カシオ計算機、ピジョン、セブン銀行も安い。

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