イエレン議長の生産性懸念、金融政策への経済理論の影響浮き彫りに

  • イエレンFRB議長は議会証言で低い生産性が見通しを脅かすと指摘
  • 議長はノースウエスタン大学のゴードン教授の理論に同調

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は今週の議会証言で、生産性を深刻に懸念していると述べた。議長のスピーチの脚注を精読すると、これは時間をかけて深めてきた懸念であることが分かる。

  2014年2月の就任以来、イエレン議長はノースウエスタン大学のロバート・ゴードン教授の研究に言及しており、その頻度はバーナンキ前議長を別とすればFRB以外のエコノミストの誰よりも多い。経済学の世界ではゴードン教授は、20世紀を特徴付けた急速な経済成長が技術革新の減少と生産性の伸び鈍化で21世紀に減速するという理論で知られる。

  イエレン議長は21日、生産性の鈍い伸びについて「深刻な懸念」だと発言した。議長だけではなく、FRB当局者の間では弱い伸びが新たな標準かもしれないとの認識が強まりつつある。セントルイス連銀のブラード総裁が先週、政策金利見通しを下方修正し18年末までに利上げは1回だけと述べた際に低い生産性に言及したのも、経済理論が政策にいかに影響しているかを示す明らかな例だ。

  ジャニー・モンゴメリー・スコットのマネジングディレクター兼チーフ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏は「生産性が低い環境に対する政策の直接的な処方箋は利下げだ」と指摘。連邦公開市場委員会(FOMC)は全体として、長期的な政策金利見通しを繰り返し下方修正しており、これは「生産性が極めて長期にわたって低下するという見方がFOMC内部で強まっていることを紛れもなく反映している」と同氏は分析した。

イエレンFRB議長

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  イエレン議長は21、22両日の議会証言で、名前を挙げなかったもののゴードン教授の理論を引き合いに出し、力強いペースの成長を今後予想しながらも「ここ数年見られる生産性の緩慢な伸びが今後も続く可能性があるとの一部著名エコノミストの見方を排除することはできない」と述べた。

原題:Yellen Productivity Concern Shows Slump’s Theory-to-Policy Shift(抜粋)

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