おきて破りの今年の米大統領選、経済モデル泣かせ-ゴールドマン

  • 有権者の争点としての経済の重要度低下で勝者予測の力も下がるか
  • 「普通」の選挙なら、そこそこ力強い景気は与党民主党の追い風に

2016年の米大統領選は後世の歴史書の記述の一こまとなるだろう。

  過去の大統領選では、経済データの活用が勝者予測に役立つケースが多かった。だが今年は違う。

  これがゴールドマン・サックス・グループの米政治エコノミスト、アレック・フィリップス氏(ワシントン在勤)率いる同社アナリストチームのメッセージだ。

  同チームは「通常の場合、選挙結果を予測する上で有力な手掛かりは8月までに、経済データから世論調査に切り替わる」とした上で、「『普通』の選挙では、こうしたモデルからほぼ的確な目安を得られるが、今年はうまく機能しそうにないというのがわれわれの主観的な受け止め方だ」とコメントした。

トランプ候補

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  同社アナリストによれば、現在見られるようなそこそこ力強い米経済のトレンドは、与党民主党に追い風となるはずだ。5月までの3カ月の非農業部門雇用者数の増加幅は月平均約11万6000人で、ゴールドマンは4-6月(第2四半期)の米国内総生産(GDP)伸び率を3.1%と予想する。

  しかし、「タイム・フォー・チェンジ(変革の時)」と呼ばれる要素を考慮した場合、様相は一変する。これは、米エモリー大学のアラン・アブラモウィッツ教授(政治学)のモデルで最初に広まったもので、GDPの伸び率のほか現職大統領の支持率、現職が1期目か2期目かといったことも手掛かりとして、与党候補が勝利するかどうかを予測する。そして、この要素こそが民主党には不運にも、伝統的経済モデルを構成する要素の中で今年の大統領選で実際に意味を持つものではないかとゴールドマンはみている。

  とはいえ、今年の選挙の直接的な争点として経済の比重が比較的小さいことで、経済モデルの予測力は低下するかもしれないと同社アナリストは分析。今月のギャラップ調査では、米国が抱える最も重要な課題として経済問題を挙げた回答者は38%と、選挙戦この時期としては過去2回の大統領選の数字をいずれも下回った。

  ゴールドマンのチームは「いつものように、今年の選挙でも経済が重要な要素となりそうだが、考慮すべき重要事項とする有権者の人数は最近の選挙に比べると少ないようだ」と締めくくった。

原題:Goldman: This Election Is So Unusual That Economic Models Won’t Help Predict the Winner(抜粋)

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