ソフトバンクのアローラ氏退任、孫氏と共存できず-株主総会

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  • 孫氏「少なくとも5-10年は社長のまま走りたい」
  • アリババ株売却を主導、166億円の報酬も

ソフトバンクグループのニケシュ・アローラ副社長は任期切れとなる22日の株主総会で退任した。孫正義社長の後継者候補だったが、孫氏が当面、社長を続ける意欲を示し、在籍2年足らずでの退任となった。三顧の礼で迎えた人材の退任に、大物創業者と共存することの難しさを指摘する声も出た。

  孫社長とアローラ副社長が21日夕、都内でブルームバーグなどに話した。8月で59歳になる孫氏は、アローラ氏を招へいした当初は60歳前後で社長を譲ろうと考えていたが、時期が近づくにつれて葛藤が生まれた、と説明。「正直な気持ちで、まだ社長を続けていきたいと伝えた」と話した。

孫正義社長とニケシュ・アローラ副社長(2016年5月10日都内)

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  アローラ氏は「孫社長が心変わりし、もっと仕事をしようと思った以上、クレイジーな天才である孫社長には、大きな収益を生み出し続けてもらうべきだ」と述べた。退任は2人で話し合った結果といい、アローラ氏は7月以降、顧問として残り、米子会社スプリントの取締役にもとどまる。ヤフーの取締役は22日付で辞任した。

保有株は孫社長が購入

  アローラ氏が600億円相当の自己資金で購入していたソフトバンク株は、21日付終値で孫社長が購入する。購入の発表があった15年8月19日の終値が7477円に対し、21日の終値は22%安の5842円。22日の取引では一時、前日終値比3.9%高の6070円となった。

  アローラ氏はグーグルの最高事業責任者だった2014年に、孫氏に請われてソフトバンクに入社した。海外事業責任者として活発に合併・買収(M&A)を展開し、アリババ・グループ・ホールディングの一部保有株やゲーム開発会社スーパーセルの売却も主導した。15年3月期には166億円の報酬を受け取った。

 「退任は孫氏がどれだけ強い気性を持っているかを示している。新たな才能が彼と共存するのは難しい」とキャピタルアトワーク・ホワイエ・グループのファンドマネージャー、セドリック・アラウド氏は述べた。次の社長に誰がなるのか、というのが現時点での課題だという。

宮内氏が副社長へ

  アローラ氏は3月に設置を発表した海外事業を統括する中間持ち株会社の最高責任者となっていた。海外での投資活動や事業は孫氏のほか、ロナルド・フィッシャー取締役らが引き継ぎ、後任の副社長には宮内謙取締役が再び就任する。

  ゴールドマン・サックス証券の松橋郁夫アナリストは22日付リポートで、アローラ氏は「出資候補先や政府との交渉において重要な役割を担ってきた」と指摘し、「急な退任は今後の新たな海外での投資戦略に影響が出る可能性がある」と記した。ただ、スプリント再建では「引き続き孫正義社長が深く関与し」、再建策や実行スピードに変化が生じるとは思わないと述べている。

  孫氏はアローラ氏の投資手法から、保有資産を「現金化することの大切さも学んだ」と説明。アリババやスーパーセルの売却により、「資金的余裕ができたことで、投資機会があれば速攻で動ける」と述べた。

60歳

  ソフトバンクの株主総会の招集通知には、取締役候補としてアローラ氏が記載されていたが、22日午前に取締役の選任議案からアローラ氏を削除すると発表した。退任の決定は、直前の出来事だった。

  孫氏はアローラ氏を招へいした当初は60歳の誕生日を迎えたら、社長職を譲ろうと考えていたという。ただ残り1年余りとなった時点で、「やり残したことがいろいろある」と考え、職を譲るのが惜しくなった。「気持ちが成熟していないのにバトンを渡したら、渡した後にもめるのも嫌だ。だから正直に話したほうがいい」とし、「ニケシュには迷惑掛けたと申し訳ない気持ちでいっぱい」だと述べた。

  後継者育成は、創業者の孫氏が経営判断の多くを担うソフトバンクの長期的な課題となるが、孫氏は「今はまだ考えていない」「少なくとも5-10年は社長のまま走りたい」と話した。

解任要求も

  一部の投資家グループはアローラ氏の実績や適性に疑問を呈し、ソフトバンク取締役会に対し同氏の内部調査を行い、必要であれば解任するよう要求していた。ただ同社は、特別調査委員会が調査した結果として、評価するに値しない内容だとの結論に達したと20日に発表していた。

  アローラ氏は、短文投稿サイトのツイッターに「悲しくはない。多くを学び、孫氏と夕食を共にしこれからの人生について話をした」と投稿した。

(第1段落の退任の時制を変え、株価を更新しました.)
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