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EU離脱なら誰がコーヒー入れてくれるのか-英雇用市場で素朴な疑問

  • バリスタのみならずイチゴ摘みから建設作業員まで移民に依存
  • 英国人はそもそも求職せず、雇っても辞めてしまうとの指摘も

アンソニー・マンセル氏は英コーヒーショップチェーン、コスタのロンドン金融街に近い店舗で客の注文に応じてコーヒーを入れるバリスタだ。この店舗で唯一の英国人バリスタである同氏は、国民投票で英国の欧州連合(EU)離脱が決まったらどうなるのだろうと心配している。というのも同僚が全員、イタリアやスペイン、ブルガリア、ポルトガルなどEU加盟国出身者だからだ。

  「職探しに店にやってくる英国人は多くない」とマンセル氏。「私は残留に投票する。そうしなかったら、友人がいなくなってしまう」と話す。

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  移民頼みは何も、米スターバックスと競合するコスタだけではない。農家でのイチゴ摘みやトラック運転手、建設労働者、ホテルの清掃員、サンドイッチ店の従業員など、英国で雇用されている同国以外のEU加盟国出身者は220万人に上る。英失業率は2ー4月の3カ月で5%と、2005年以来の低水準。これでは国民投票でEU離脱が支持され労働人口の自由な移動が制限された場合、労働力不足が起きかねないという指摘が企業から聞かれる。

Inside A Costa Coffee Store

コスタコーヒーのバリスタ

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  離脱支持の背景には移民をめぐる懸念があることが、世論調査では示されている。外国人労働者が賃金の伸びを抑え、英国人から職を奪っているとの懸念だ。英政府がEU新規加盟8カ国からの移民を受け入れた04年以降、英食品・飲料製造業界で働くこれら8カ国からの労働者は急増。英国立経済社会研究所(NIESR)によると、同業界の労働者に占める割合は同年のゼロから14年には21%に達した。

  NIESRのエコノミスト、ジョナサン・ポーテス氏は「ここ10年、EUからの移民は英労働市場に対して非常に大きな影響を与えてきたので、その流れが逆転すれば著しいインパクトを与える」と述べ、「EUからの移民を減らせば英国の単純労働者のための何らかの問題解決になるという考え方は恐らく間違っている」と付け加えた。

  実際、英国人がやりたがらない仕事を移民が請け負っているとの指摘はある。サンドイッチチェーンのプレタマンジェで働くコロンビア生まれのマネジャー、コンスタンサ・マルティネスさんは「仕事に応募してくる英国人は多くない。普通、英国人はこの仕事を好まないし、辞めてしまう」と語った。

原題:If U.K. Leaves EU, Employers Wonder Who Will Make the Coffee(抜粋)

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