6月21日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、ECB総裁が追加策の可能性あらためて示唆

21日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し1週間 で最大の下げ。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がインフレ押し上 げに向け行動する用意があると、あらためて表明したことが背景にあ る。

ドラギ総裁はブリュッセルでの議会証言で、ユーロ圏の景気回復の 「勢いが年初に強まった」にもかかわらず、インフレのダイナミクスは 「かなり弱い」状態が続いていると指摘。またECBの新しい条件付き 長期リファイナンスオペ(TLTRO2)は従来の発表通りに実施され ると説明した。

コモンウェルス銀行(CBA)のストラテジスト、ピーター・ドラ ギセヴィッチ氏(ロンドン在勤)は「追加刺激策が控えているとのコメ ントに市場は飛びついた」とし、「英国の欧州連合(EU)離脱・残留 を問う国民投票を控えた非常に静かな状況では、すでに知っているはず のことにも市場は反応する」と述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長はこの日、英国民 投票は経済にリスクをもたらしているとし、EU離脱となれば極めて大 きな影響が及ぶ恐れがあると指摘。金融政策当局は米経済が改善の明確 な兆しをいつ見せるかではなく、見せるかどうかを注意して見守ってい ると述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.6%安 の1ユーロ=1.1242ドル。ドルは対円で0.8%上昇し1ドル=104円75 銭。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数は0.3%上昇。

ECBが金利を市中銀行に支払う新しいプログラムは22日に始動す る。ECBの新しい条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO2、 期間4年)の金利はゼロから始まり、最終的にはマイナスになり得る。 ただユーロ圏は既に流動性であふれており、世界の見通しも不確実なこ とから、同プログラムの効果は目覚ましいものではなく、漸進的なもの となる可能性がある。

市場や政策当局は英国の国民投票と、それが世界の成長や金融政策 に与え得る影響に焦点を合わせている。最新の世論調査ではEU残留と 離脱が拮抗(きっこう)している。

先物市場に織り込まれる年内の米利上げ確率は49%と、今月初め の76%から低下している。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジ(ワシントン)のチ ーフ市場アナリスト、オマー・エシナー氏は「7月利上げの扉はごくわ ずかに開いた状態だ。特に英国民投票の結果を受けてボラティリティが さらに高まらなければその状態が続く」としながらも、「イエレン議長 の発言は、大きなイベントを控えた状況で市場を動かすことを目的に発 せられたものではないだろう」と続けた。

原題:Euro Declines After Draghi Repeats Further Stimulus Is Possible(抜粋)

◎米国株:小幅続伸、エネルギーやハイテクがけん引-英国民投票控え

21日の米株式相場は小幅続伸。エネルギー銘柄やハイテク株がけん 引役となった。欧州連合(EU)からの離脱を問う23日の英国民投票で は、残留という結果になるとの観測が強まっている。

株式相場はもみ合った後に上昇。原油相場は下げたものの、石油・ 天然ガス銘柄は3日続伸。マイクロソフトとアップルがハイテク株の上 げを主導した。一方、バイオテクノロジー銘柄は下落し、ヘルスケア株 全体を押し下げた。ドルが5日ぶりに上昇し商品価格を圧迫したため、 素材株も安い。

S&P500種株価指数は前日比0.3%高い2088.90ポイントで終了。 ダウ工業株30種平均は24.86ドル(0.1%)上昇し17829.73ドルで終え た。ナスダック総合指数も0.1%上昇。

ロバート・W・ベアードの機関投資家担当株式セールス・トレーダ ー、マイケル・アントネッリ氏は「ギリシャ情勢のようになっている。 EU離脱をめぐる世論調査が発表されるたびに、それに合わせて市場が 小刻みに変動する」と指摘。「投票まで何も起こらないだろう。イエレ ン米連邦準備制度理事会(FRB)議長がこの日、議会で証言したが、 わたしが話した人たちからの扱いや関心は薄かった」と述べた。

イエレン議長は証言で、金融政策当局は米経済が改善の明確な兆し をいつ見せるかではなく、見せるかどうかを注意して見守っていると述 べ、1週間足らず前に示した見通しを微妙に修正した。「ここ数年見ら れる生産性の緩慢な伸びが今後も続く可能性があるとの一部著名エコノ ミストの見方を排除することはできない」と述べた一方、中国の成長を めぐる不確実性や23日の英国民投票など、米経済への脅威となり得る海 外要因をいくつか挙げた。

ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントの株式トレーディ ング責任者、トーマス・ガルシア氏は「ハト派的なトーンのように聞こ える。現時点で、議長が利上げを実施すると誰も考えていないと思う。 投資家は英国民投票を前に大きくは動かないだろう。イエレン議長も投 票を控えて発言に気を使っているようだ」と話した。

ライノ・トレーディング・パートナーズ(ニューヨーク)のチーフ ストラテジスト、マイケル・ブロック氏は「世論調査の結果が効いてお り、誰もが先週のネガティブな見方を一掃しつつある。ソロス氏がポン ドは20%余り急落すると警告したため、市場参加者はポンドを引き続き 売り持ちにしようとしては痛手を被っている。機能不全に陥っており、 ファンダメンタルズに基づいた確信的な動きはあまりない」と述べた。

S&P500種の全10セクターのうち、エネルギーと情報技術、電気 通信サービスの上げが目立った。一方、素材やヘルスケア、一般消費 財・サービスは軟調。

原題:U.S. Stocks Edge Higher Amid Energy, Tech Gains Before U.K. Vote(抜粋)

◎米国債:4日続落、5年債入札で需要が2009年以来の低水準

21日の米国債は4日続落。4月以来で最長の連続安となった。午後 に入って行われた5年債入札(340億ドル)の需要は2009年以来で最も 低かった。

10年債利回りは上昇。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議 長はこの日の上院銀行委員会の公聴会で証言。金融政策当局は米経済が 改善の明確な兆しをいつ見せるかではなく、見せるかどうかを注意して 見守っていると述べた。

クレディ・アグリコルのシニアトレーダー、ダン・マルホランド氏 (ニューヨーク在勤)は「英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる懸念は 若干、緩和された」と述べ、「入札後、相場はやや下げている。弱い入 札だった」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨ ーク時間午後5時現在、10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)上昇して1.71 %。同年債(表面利率1.625%、2026年5 月償還)の価格は99 1/4。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏は「低調な入札だった。まったく驚きはない」と話した。投 資家は英国民投票を前に投資を控えている。

イエレン議長は「国民投票で英国のEU離脱となれば、経済に極め て大きな影響が及ぶ恐れがある」と警告した。

ユーガブと英紙タイムズが1652人を対象にまとめた世論調査による と、英国民投票でEU残留を支持するとの回答が42%、離脱が44%だっ た。またこれとは別にORBと英紙テレグラフの世論調査によると、残 留支持が53%、離脱が46%だった。

先物市場動向によると、米金融政策当局が年内に利上げする確率 は49%織り込まれている。月初の時点では76%だった。

米財務省は22日、7年債入札(280億ドル)を実施する。

原題:Treasuries Fluctuate as Yellen Says Fed on Watch for U.S. Growth(抜粋)

◎NY金:4週ぶり大幅安、英EU離脱の確率が低下-逃避需要は減退

21日のニューヨーク金先物相場は続落し、4週間ぶりの大幅安とな った。23日の英国民投票では欧州連合(EU)残留が決まるとの観測か ら、逃避先としての金の需要が減退した。

ロング・リーフ・トレーディング・グループ(シカゴ)のチーフマ ーケットストラテジスト、ティム・エバンス氏は電話インタビューで、 「英国民投票に対する市場の関心が積み重なって、これまでの金の大き な動きに表れていた」と指摘。「投票結果がどうなるのかという観点で センチメントは確実にシフトしている。金相場はそれを反映している」 と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は前日 比1.5%安の1オンス=1272.50ドルで終了。中心限月としては5月24日 以来の大幅下落。

銀先物7月限は1.1%下げて17.319ドル。ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)のプラチナは下落、パラジウムは上昇。

原題:Gold Posts Biggest Loss in Four Weeks as Chances of Brexit Ebb(抜粋)

◎NY原油:反落、EIA統計待ち-英国民投票控え不透明感

21日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が反落。米エネルギー情報局(EIA) が22日に発表する週間統計の結果待ちとなっている。英国民投票を控え た世論調査では、欧州連合(EU)離脱の賛否が拮抗している。

コンサルタント会社エナジー・アスペクツ(ロンドン)の主任石油 エコノミスト、アムリタ・セン氏は「マクロ経済に関する不安が原油市 場を動かしている。英国がEU離脱を選択すれば、経済に深刻な打撃が 及ぶだろう」と指摘。「これが、落ち着かない相場展開となっている最 大の原因だ」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比52セント(1.05%)安い1バレル=48.85ドルで終了。7月限はこの 日が最終取引。中心限月となった8月限は11セント下げて49.85ドル。 ロンドンICEのブレント8月限は3セント値下がりして50.62ドル。

原題:Oil Slips From One-Week High Ahead of Brexit Vote, EIA Report(抜粋)

◎欧州株:3日続伸、英国がEU残留との楽観で-ユーロ安も追い風

21日の欧州株式相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は3日 続伸し、この間の上昇率は約10カ月ぶりの大きさとなった。23日の国民 投票で、英国が欧州連合(EU)残留を支持するとの楽観が高まったこ とが背景にある。ユーロ安も追い風となった。

ストックス600指数は前日比0.7%高の340.04で終了。英国民投票の 結果が波乱を招きユーロ圏の見通しを脅かすような事態に備え、欧州中 央銀行(ECB)が計画を策定したとのドラギ総裁の発言を受け、スト ックス600指数は上げ幅を拡大した。銀行株は3営業日としては約4年 ぶりの上げ幅を記録した。

ストックス600指数はこの3営業日で5.8%上昇。最新の調査は離脱 派と残留派の支持率が拮抗(きっこう)しているが、オッズチェッカー のデータによれば、ブックメーカーによるEU残留確率は約80%に上 る。

バンクハウス・ランプ(デュッセルドルフ)のストラテジスト、ラ ルフ・ツィマーマン氏は「現時点でEU離脱の確率と株式相場の動向に はかなり強い相関性がある」とし、「17日に上昇した流れを引き継い で20日も大きく上げた。英国のEU離脱が関心の的で、これに関連する 全ての情報が取引材料になっている」と語った。

個別銘柄では、英ウィットブレッドが1.7%上昇。傘下のコスタ・ コーヒーとプレミア・インの既存店売上高がアナリスト予想を上回っ た。一方、英エンジニア企業シニアは13%安と急落。フレクストロニク ス部門の下半期売上高見通しを引き下げたことが嫌気された。

原題:European Stocks Climb With Banks for 3rd Day Before Brexit Vote(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債利回り、2週ぶり高水準から低下-英国民投票にらむ

21日の欧州債市場ではドイツ10年債利回りが2週間ぶり高水準から 低下した。23日の英国の欧州連合(EU)残留・離脱を問う国民投票を めぐり、最新の世論調査が残留派と離脱派の支持率拮抗(きっこう)を 示したためだ。

ドイツ国債に対するイタリア10年債の利回り上乗せ幅(スプレッ ド)は1週間ぶりの小ささから拡大。残留支持派が再び優勢となった世 論調査を好感し、20日の市場ではスプレッドが4カ月余りで最も大きく 縮小した。

英国のEU離脱がユーロ圏経済にも悪影響を及ぼすとの懸念が広が る中、過去1カ月の周辺国債のパフォーマンスはドイツ国債を下回る。 国民投票後の26日にはスペイン総選挙を控えており、域内の国債はより 大きなボラティリティに直面する可能性がある。

みずほインターナショナルの金利戦略責任者、ピーター・チャトウ ェル氏(ロンドン在勤)は「スプレッド縮小の度合いから判断すると、 市場の見方は残留に強く傾いているようだ」と発言。「顧客動向は新た なリスクを取るというよりも、ポジションの微調整により傾いている」 と語った。

ロンドン時間午後4時4分現在、ドイツ10年債利回りは前日比ほぼ 変わらずの0.06%。一時は7日以来の高水準となる0.075%に達した。 同国債(表面利率0.5%、2026年2月償還)価格は104.27。

イタリア10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇の1.45%。ドイツ国債に対するスプレッドは139bp。 一時は137bpと、今月13日以来の小ささまで縮小した。

ブルームバーグ・世界債券指数によると、ドイツ国債の過去1カ月 のリターンはプラス1.3%。これに対しイタリア国債は0.9%、スペイン は0.8%。

原題:German Yields Fall From 2-Week High as Brexit Polls Are Divided(抜粋)

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