NY外為:ユーロ下落、ECB総裁が追加策の可能性を再度示唆

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21日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し1週間で最大の下げ。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がインフレ押し上げに向け行動する用意があると、あらためて表明したことが背景にある。

  ドラギ総裁はブリュッセルでの議会証言で、ユーロ圏の景気回復の「勢いが年初に強まった」にもかかわらず、インフレのダイナミクスは「かなり弱い」状態が続いていると指摘。またECBの新しい条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO2)は従来の発表通りに実施されると説明した。

  コモンウェルス銀行(CBA)のストラテジスト、ピーター・ドラギセヴィッチ氏(ロンドン在勤)は「追加刺激策が控えているとのコメントに市場は飛びついた」とし、「英国の欧州連合(EU)離脱・残留を問う国民投票を控えた非常に静かな状況では、すでに知っているはずのことにも市場は反応する」と述べた。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長はこの日、英国民投票は経済にリスクをもたらしているとし、EU離脱となれば極めて大きな影響が及ぶ恐れがあると指摘。金融政策当局は米経済が改善の明確な兆しをいつ見せるかではなく、見せるかどうかを注意して見守っていると述べた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.6%安の1ユーロ=1.1242ドル。ドルは対円で0.8%上昇し1ドル=104円75銭。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%上昇。

  ECBが金利を市中銀行に支払う新しいプログラムは22日に始動する。ECBの新しい条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO2、期間4年)の金利はゼロから始まり、最終的にはマイナスになり得る。ただユーロ圏は既に流動性であふれており、世界の見通しも不確実なことから、同プログラムの効果は目覚ましいものではなく、漸進的なものとなる可能性がある。

  市場や政策当局は英国の国民投票と、それが世界の成長や金融政策に与え得る影響に焦点を合わせている。最新の世論調査ではEU残留と離脱が拮抗(きっこう)している。

  先物市場に織り込まれる年内の米利上げ確率は49%と、今月初めの76%から低下している。

  コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジ(ワシントン)のチーフ市場アナリスト、オマー・エシナー氏は「7月利上げの扉はごくわずかに開いた状態だ。特に英国民投票の結果を受けてボラティリティがさらに高まらなければその状態が続く」としながらも、「イエレン議長の発言は、大きなイベントを控えた状況で市場を動かすことを目的に発せられたものではないだろう」と続けた。

原題:Euro Declines After Draghi Repeats Further Stimulus Is Possible(抜粋)

(第4段および6段落以降を追加し、更新します.)
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