イエレン議長:インフレ、労働市場の見通しを微妙に修正-証言

更新日時

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、金融政策当局は米経済が改善の明確な兆しをいつ見せるかではなく、見せるかどうかを注意して見守っていると述べ、1週間足らず前に示した見通しを微妙に修正した。

  イエレン議長は21日、上院銀行委員会の公聴会で証言。事前に配布された証言原稿によれば、「フェデラルファンド(FF)金利の引き上げを慎重に進めていくことで当局は、成長が緩やかなペースに戻りつつあるのか、労働市場が一層力強さを増すのか、インフレ率が当局の目標である2%に向けて上昇を続けるのかを精査する間、経済成長に対する金融面での支援を適切に維持できる」と述べた。

  6日前には議長は、利上げへの慎重なアプローチにより成長や雇用、インフレが改善しつつあると「当局は確認することができる」と述べていた。

イエレン議長

Photographer: Pete Marovich/Bloomberg

  証言後の質疑応答では、イエレン議長は米経済がリセッション(景気後退)に陥る可能性は低いとの認識を示した。

  議長は半期に一度の金融政策に関する議会証言で、自身としては米経済の中長期的な見通しを楽観しているものの、「ここ数年見られる生産性の緩慢な伸びが今後も続く可能性があるとの一部著名エコノミストの見方を排除することはできない」と述べた。

  経済については、短期的には期待外れだった1-3月(第1四半期)から回復すると当局は予想していると述べ、先週示した見通しを繰り返した。また政策金利についても先週同様、「緩やかな」利上げを引き続き見込んでいるとした上で、詳細な利上げ時期には触れなかった。

  イエレン議長は、特に低調な内容だった5月の雇用統計に示される雇用の減速を認めながらも、ほんのいくつかの月間統計を重視し過ぎないよう警告した。

  議長は「1、2本の統計に過剰反応しないようにすることが重要だ。労働市場の状況を示す他のタイムリーな指標はなお好ましい内容だ」と語った。

  このほか、最近のデータは「4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)の伸びが顕著に改善すること」を示したと指摘した。

  一方で議長は、中国の成長をめぐる不確実性や英国の欧州連合(EU)離脱・残留を問う23日の国民投票など、米経済への脅威となり得る海外要因をいくつか挙げた。

  イエレン議長は「国民投票で英国のEU離脱となれば、経済に極めて大きな影響が及ぶ恐れがある」と指摘した。議長は先週、連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置きについて、英国民投票も意思決定の要素の一つだと述べていた。

  証言後の質疑応答では、英国のEU離脱が決定し金融市場に混乱が生じた際には、必要に応じて米金融当局には行動する用意があると説明した。

  議長は「当局は経済への影響を注意深く見守り、その評価に基づいて行動する用意を整えている」と語った。

原題:Yellen Offers Subtle Change to Inflation, Job-Market Outlook (1)(抜粋)

(第4段落および最終2段落に質疑応答での発言を加え、更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE