イエレンFRB議長の味方はデータ、21日から上下両院で議会証言

  • イエレン議長は物価安定と雇用の責務で引き続き前進
  • 物価が上向いた状況を根拠に議員が利上げ再開の必要性を指摘も

米大統領選の年は経済への不満が選挙戦の焦点になることから、21日と22日に上下両院で議会証言に臨むイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、金融政策の至らぬ部分について厳しい質問を受けそうだ。

  多くの場合、イエレン議長には当局を擁護するデータがある。議員らがイエレン議長を追及する際に知っておくべき事実を以下に挙げた。

労働市場は回復中

  政治家は米雇用統計について質問することが多い。5月の雇用の伸びが極めて弱かった後だけに、イエレン議長が労働市場の先行きについて質問されるのはほぼ確実だ。

  ただイエレン議長にとって幸いなことに、トレンドは実際にはおおむね明るい。失業とより広範な不完全雇用の指標はいずれも低下し、前者は危機前の水準を回復。後者は2008年以来の低水準にある。この低下の背景に労働市場からの退出者の影響があるとイエレン議長自ら指摘しているものの、人口動態など構造的要因が労働参加率をどの程度低下させているのかが本当の問題だ。

マイノリティーの失業率低下

  雇用分野でよくあるもう一つ不満は、全体的な失業率の低下にもかかわらずマイノリティーの失業率が白人や非ヒスパニック系米国人よりも依然としてかなり高いということだ。これは疑いようのない事実だが、危機前も同じであり、マイノリティーの高失業率は経済の弱さの結果というよりも構造的問題であることを示唆している。

  連邦準備制度は労働市場の構造的問題に対処できることはほとんどないと論じており、それは実際のところ、財政政策に託される責務だ。

インフレ

  共和党議員はFRB議長にインフレ加速懸念を警告するのが常で、金融緩和策がいずれ物価上昇を誘発すると長年主張してきた。彼らは久しぶりにインフレ指標について指摘する可能性がある。

  金融政策には遅効性があるため、一部の議員は物価が上向いた状況を根拠として米金融当局が利上げを再開すべきだと主張する可能性もある。しかし、イエレン議長は行き過ぎたインフレ高進への懸念をあまり表明していないため、議員が議長を納得させることはなさそうだ。むしろ議長は、景気回復の失速回避でアクセルを踏み続けるよう求める民主党から大きな支援を得るだろう。

  イエレン議長はさらに、長引く低金利が金融安定に突き付ける脅威やさえない景気回復、ウォール街の金融機関に対する規制、23日に予定される英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票、11月の米大統領選の経済への影響に関する質問に応じる可能性が高い。

原題:Yellen’s Got Data on Her Side If Congress Quizzes on the Economy(抜粋)

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