米石油産業発祥の地、方々でメタンガス漏れ-油井の残骸が風景の一部

  • 1859年以降、油井の掘削進む-住宅や飲料水にメタンガス漏れ出す
  • ペンシルベニア州司法長官、使われなくなった油井に関し規則を検討

今は使われていない油井のパイプの上に郵便箱が置かれている。近くにはシャクヤクの花が咲き、さびたポンプジャックのそばで子どもたちがブランコに乗っている。

  米国の石油産業発祥の地であるペンシルベニア州では約100年前に使われていた油井の残骸が長い間、風景の一部になっている。その多くは放置され土や木材、さび付いた鉄球などが詰まっていても、誰もさほど考えを巡らさなかった。

ペンシルベニアの家屋

Photographer: Chris Goodney/Bloomberg

  しかし、州内に数十万カ所あるこれらの油井について警戒する声が強まりつつある。特に米最大の天然ガス田であるマーセラス・シェール層の新規油井に近い場所では注目されている。これらの油井からは水質汚染をもたらすメタンが漏れ出しており、地球温暖化につながるほか、爆発する恐れもある。過去数十年間に爆発により4人が死亡している。

  「ここの水には大量のメタンが含まれている。調査員からたばこを吸ったり、風呂場でろうそくに火を付けたりしないよう言われた」と、使われなくなった60本以上の油井がある40エーカーの農場で妻シェリルさんと住む機械技師のジョー・トーマス氏は語った。地表にはエメラルド色の石油が所々浮き出している。

石油と汚染物質

Photographer: Chris Goodney/Bloomberg

  数百世帯がトーマス氏のように放棄された油井と共に暮らしている。

  ペンシルベニア州司法長官は現在、新規に水圧破砕を実施する場所から1000フィート(約305メートル)以内の油井について必要文書を提出するよう掘削会社に義務付ける規則について検討している。かつての掘削地での水圧破砕による油井開発と住宅開発が増加する中、同州のほかカリフォルニア、テキサス、オハイオ、ワイオミング、コロラド州などが、開発が繰り返される土地の環境対策に取り組んでいる。

  米国では、ペンシルベニア州の小さな町タイタスビルで1859年に初めて油井が掘削されて以降、少なくとも350万本の油井が掘られている。

原題:In the Birthplace of U.S. Oil, Methane Gas Is Leaking Everywhere(抜粋)

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