日本株は3日続伸、医薬品など内需中心広く上げ-円高鈍り切り返す

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21日の東京株式相場は3日続伸。欧州連合(EU)からの英国の離脱リスクに対する過度の警戒感が弱まっている上、為替市場での円高の勢いが鈍り、リスク資産を見直す買いが入った。医薬品や食料品、情報・通信株などディフェンシブ業種、不動産やサービス、陸運株など内需セクターのほか、電機など輸出株も高い。

  TOPIXの終値は前日比14.71ポイント(1.2%)高の1293.90、日経平均株価は203円81銭(1.3%)高の1万6169円11銭。

  大和住銀投信投資顧問・株式運用部の岩間星二ファンドマネジャーは、「英選挙結果が出てこなければリスクの取りようがない。どちらかにベットするのは危険」としつつも、「離脱可能性までの悲観をいったん株価が織り込んだ後、残留を織り込む方向へ行っている。日本株はかなり下げ、ここから売るような材料もない」と話した。

東京証券取引所

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  為替の円高推移、連騰の反動からきょうの日本株は売りが先行、TOPIXは朝方に一時1.3%安まで下げた。21日に米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の議会証言を控える中、20日のニューヨーク為替市場ではドルがユーロに対し下落。この流れを受けたきょう午前のドル・円は、一時1ドル=103円58銭と16日に付けた直近の円高値103円55銭に迫った。

  ただし、16日水準の更新には至らず、その後円高の勢いが弱まると日本株もプラス圏に転じ、午後は一段高となった。昨日のTOPIXは2.3%高と大幅高となったが、前週は6%下落、週間で2月2週(13%)以来の下落率となっていた状況に比べれば、戻りは限られていた。

  大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、手口からみて、6月に入りヘッジファンドは大量に日本株の先物を売り越していたと推測。一方、英国のEU離脱懸念がやや後退する流れの中でも前日まで買い戻しは進んでいなかったため、「下がったところではアンワインドによる買い戻しが入りやすい」と話した。

  英紙タイムズのサム・コーツ氏がツイートで明らかにしたところによると、ユーガブと同紙の世論調査で英国民投票でEU残留を支持するとの回答が42%、離脱が44%だった。調査は残留を支持していたジョー・コックス英下院議員の殺害後である17ー19日に成人1652人を対象にオンラインで実施した。一方、英ブックメーカーのラドブロークスがウェブサイトで明らかにした最新の予想オッズは、残留の可能性80%、離脱の可能性25%を示した。双方の支持率が拮抗(きっこう)する中、英国の欧州連合(EU)離脱の国民投票は23日に行われる。

  SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、投票日まで流動的な側面は残るが、世界的にリスクオフが緩和されていることは日本株の下支え要因で、「日経平均のバリュエーションも13倍台と過去1年の下限にあり、割安感は強い」としている。

  東証1部33業種は医薬品や食料品、不動産、通信、電機、繊維、サービス、証券・商品先物取引、陸運、小売など30業種が上昇。非鉄金属、鉱業、鉄鋼の3業種は下落。東証1部の売買高は17億2232万株、売買代金は1億7797億円。代金は前日比で7%弱減少と盛り上がりに欠け、買い戻し主導の展開を裏付けた。値上がり銘柄数は1395、値下がりは443。

  売買代金上位では村田製作所や小野薬品工業、アステラス製薬、ぺプチドリーム、サイバーエージェント、電通が高く、モルガン・スタンレーMUFG証券が業績予想を増額した花王も買われた。自社株買いの第一三共は急伸。半面、ブイ・テクノロジーや丸紅、日東電工、住友電気工業、日本ペイントホールディングスが安い。

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