債券下落、リスクオフの巻き戻し-英EU離脱懸念後退や20年入札警戒

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  • 20年入札はポジションを取りにくいことは間違いない-JPモルガン
  • 午前は20年債などに売り、流動性供給入札の結果は悪くない-野村証

債券相場は下落。英国の欧州連合(EU)離脱観測の後退で前日の米10年債が大幅下落する中、この日は日経平均株価も続伸し、リスク回避の債券買いを巻き戻す流れが継続して売りが優勢となった。英国民投票の前に実施される20年債入札に対する警戒感も相場の上値を抑えた。

  21日の長期国債先物市場で中心限月9月物は、朝方に前日比11銭安の152円16銭まで下落した。いったん横ばいの152円27銭まで戻したが再び売られ、午後に入って一時152円09銭まで下落した。流動性供給入札の結果を受けて152円25銭まで下げ幅を縮小する場面も見られたが、結局9銭安の152円18銭で終了した。

  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「市場の目線としては英EU残留の方向で相場観を作りに行っている感じがする」とした上で、「英国民投票前にそんなにリスクを取る人がいるのか、20年債入札はポジションを取りにくいタイミングであることは間違いない。入札まで慎重姿勢が続くだろう」と話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値に比べて、一時1ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.14%まで売られ、マイナス0.145%で推移した。

  新発20年物156回債利回りは1.5bp高い0.205%を付けた後は0.20%から0.195%で取引された。新発30年物51回債利回りは0.5bp高い0.27%。新発5年物128回債利回りは1bp高いマイナス0.235%からマイナス0.24%で取引された。

  20日の米国債市場では10年物国債利回りが前週末比8bp高い1.69%程度と、5月18日以来の大幅上昇となった他、欧州債市場でもドイツ10年物国債利回りが上昇した。20日遅くに発表されたORBと英紙テレグラフの世論調査によると、英国民投票でEU残留を支持するとの回答が53%、離脱が46%となり、安全逃避需要が減退した。

「EU離脱に投票を」キャンペーン

Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

  一方、JPモルガン証券の山脇氏は、「英EU残留となっても景気懸念などから急にリスクオンになることはイメージしにくい」と言い、「20年債入札もショートカバーの需要や日銀買いオペに支えられ、大きく崩れるほどではないだろう。どんどん金利上昇を試すような展開はいったん終わった感じだ」との見方を示した。

流動性供給入札

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、今日の相場について「流動性供給入札に向けて午前は20年債などが売られた。前週末の流動性供給入札が悪い結果だったことの連想から超長期債を主体に売られたが、入札結果が出て買い戻されている」と指摘した。

  財務省が午後に発表した流動性供給入札(発行額5000億円)の結果によると、募入最大利回り較差がマイナス0.001%、募入平均利回り較差はマイナス0.002%となった。今回は残存期間5年超から15.5年以下の国債が対象。投資家需要の強弱を示す応札倍率は3.32倍と、昨年9月以来の高水準になった前回同年限入札の4.03倍を下回った。

  野村証の中島氏は、今日の流動性供給入札について、「倍率も3.3倍とそこまで低くない。悪い結果ではなかった」と指摘した。

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