トレーダーの逆襲、ロボット攻勢押し戻す株式市場の一角では採用強化

世界は機械に乗っ取られようとしているのかもしれないが、少なくとも市場のある一角では人間がロボットを退却させている。

  シティグループのサマンサ・ハギンス氏のような大口取引に熟練したセールストレーダーには、引く手あまたの需要がある。電話で買い手や売り手を探して取引を成立させるのは、初期コストこそ高いものの、18年の経験を持つハギンス氏に任せれば、ソフトウエアのように細切れの取引で数時間あるいは丸1日もかかるようなことにはならない。

  「セールストレーダーを活用した方が、結局のところ取引のコストは低くなる」と、マネジングディレクターのハギンス氏はカナリーワーフのトレーディングフロアにある会議室で述べた。「投資家にとっての取引コストが下がらなければ、われわれは恐竜のように過去の遺物になってしまう」と語った。

  技術革新の波が金融の世界に押し寄せる中、セールストレーダーの役割は増している。グリニッチ・アソシエーツによれば、欧州ではセールストレーダーによる単一銘柄の取引執行が約51%に増えた。米国では55%。また、人材紹介会社アームストロング・インターナショナルによれば、銀行はここ6-8カ月にこうしたセールストレーダーの採用を増やしている。ここ数年の世界的な大量削減の流れに逆行するものだ。

  大口取引の扱いは難しい。アルゴリズムに基づくソフトウエアプログラムは、目立たないように小口に分けて執行するが、トレーダーらはこうした取引を嗅ぎつけ、逆方向に価格を動かす。また、取引が完了する前にニュース発生で株価が変動するリスクもある。このため大口取引の顧客は、手数料が高くてもハギンス氏のようなセールストレーダーに一括で取引を執行してもらう方を望む。

原題:Human Traders Strike Back at Stock Market’s Robot Dominance (2)(抜粋)

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