当面の対応準備も長期低迷には手詰まりか-英のEU離脱で世界の中銀

  • 英国民投票で離脱が決まればG7が共同声明で不安緩和も
  • 日米欧加6中銀の通貨スワップ協定が準備態勢の要に

世界の中央銀行が身構える金融動乱の瞬間が迫りつつある。

  欧州連合(EU)への残留か離脱かを問う英国民投票の結果が判明するロンドン時間24日午前(日本時間同日午後)ころには、スイス国立銀行(中銀)のシンガポール・デスクや日本銀行は既に、外国為替市場でスイス・フラン売りや円売りの介入に踏み切っているかもしれない。

  両当局を含む世界の主要中銀は、流動性枯渇を恐れる民間銀行への流動性供給やポンドからの資本逃避への応戦に向けて準備を万端整えている。ただ、金融当局の用意が十分整っているのはここまでだろう。

  23日に予定されている英国民投票の結果が予断を許さぬ状況で、各国・地域の中銀は先の金融危機の際に投資家の不安を和らげるのに練り上げた措置に訴える構えだ。英国のEU離脱が決まって市場がパニックに陥れば、恐らく主要7カ国(G7)を中心に市場に平静を呼び掛けるメッセージを協調して発したり、すぐさま措置を講じたりするだろう。だが、混乱が長期的低迷に転じた場合、当局に残された手段はほとんどないと考えられる。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチの欧州担当チーフエコノミスト、ジル・モエック氏(ロンドン在勤)は、「市場にショックが広がった場合の訓練は既にできている」としながらも、「成長への影響という面では事態は複雑になる。金融政策を通じて景気てこ入れが図られてきたが、全面的に成功とは言えない」と付け加えた。

  銀行の借り入れコストの指標は先週、2012年以来の高水準に達し、ドル以外の資金でドルを調達するためのプレミアムは昨年後半以来の高水準となった。警報が発せられている形だ。

  英離脱決定の場合、世界の主要中銀は直ちに行動を起こすか、行動の用意があるとする声明を個別ないし、2011年の東日本大震災後のようにG7共同で発表する可能性がある。

  そうしたケースでは、米連邦準備制度、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(英中銀)、カナダ銀行、日銀、スイス中銀の主要6中銀の通貨スワップ協定を準備態勢の要と呼ぶことができるだろう。

原題:Beyond the Turmoil, Central Bankers Dread Brexit’s Long Shadow(抜粋)

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