トヨタAI会社CEO:ロボット分野にも適用、コスト削減の独自手法

  • 自動車産業には2つの「ミラクル」、フォードとトヨタから
  • 技術革新の方向と高齢化の時期の一致が新たな市場

トヨタ自動車の人工知能(AI)技術の研究・開発を行うトヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)のギル・プラット最高経営責任者(CEO)は、自動運転に利用される人工知能などのロボット技術は、トヨタ自動車の取り組みで広く普及することになるとみている。

  プラット氏は17日に記者団に対し、自動車業界もロボット業界も限られた製品を作るだけではコストが高くつくのは同じだとし、自動車業界では米フォードが1900年代初頭に大量生産方式を確立したという「ミラクル(奇跡)」があり、トヨタは独自の生産方式でコストを大幅に下げるという「ミラクル」を成し遂げたと語った。トヨタが生み出したコスト削減の手法はロボット分野にも適用されるとの見解を示した。

  同氏は日本を始めとする先進各国で高齢化が進んでいることに触れ、技術革新の方向と人口動態の変化の波が同時期に重なった結果、新たな市場を作り出す環境になっていると述べた。高齢化は今後ますます進む可能性があり、ロボット技術の開発が生活の質の向上につながると語った。

  プラット氏は米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)で災害救助用ロボット競技などを指揮。豊田章男社長に請われて、トヨタが2016年1月に米シリコンバレーで設立したTRIに移り、DARPAでプログラム・マネジャーをしていたエリック・クロトコフ氏などと共に最先端の開発チームを構築した。トヨタは5年間で約10億ドル(約1000億円)を投じる計画で、当面は交通事故の回避・削減を目指した研究を進めている。

買収

  自動運転に関わる開発競争は厳しさを増している。人工知能技術の活用による自動運転開発を目指す米グーグルは13年、DARPAの支援を受けて二足歩行ロボットの開発を進めてきたボストン・ダイナミクスなど複数のロボット技術会社を買収。しかし、今年3月、事業を率いていた幹部の退社などもあり、グーグルの親会社がボストン・ダイナミクスを売却する方針とブルームバーグは伝えた

  トヨタ自動車が研究強化に向け、ボストン・ダイナミクスと東京大学出身者で作るSCHAFT(シャフト)の2社を買収する方向で詰めの交渉に入ったと報じられていることについて、プラット氏は「パートナーシップや協力については常に多くの会社と会っているが、決まったものはない」と述べた。シャフトはDARPAの災害救援ロボットの競技会で注目を集め、グーグルが13年に買収していた。2社の買収については6月1日付の日本経済新聞が報じた。

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