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超長期債が下落、リスク回避の反動売り-10年超のオペ通知なしも重し

更新日時
  • 新発20年債利回り一時0.215%まで上昇、9日以来の水準
  • 日銀オペで超長期ゾーンが入らなかったことを嫌気-三菱モルガン証

債券市場では超長期債相場が下落。英国の欧州連合(EU)離脱を警戒したリスク回避に伴う債券買いが一服した海外市場の流れを引き継ぎ、売りが先行した。日本銀行が実施した国債買い入れオペに超長期ゾーンが含まれなかったことや、23日の20年債入札への警戒感も重しとなった。

  20日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値と変わらずのマイナス0.155%で開始。午前の日銀オペ通知後は1.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.14%を付けた。午後はマイナス0.155%まで戻した後、マイナス0.15%を付けている。

  新発20年物の156回債利回りは1.5bp高い0.18%で開始後、一時0.215%と9日以来の水準まで上昇した。午後は0.185%まで戻した後、0.19%で推移している。新発30年物の51回債利回りは7bp高い0.30%まで上昇後、0.265%に戻している。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「前場は週末の世論調査を受けて売りが先行した。日銀オペで超長期が入らなかったことが嫌気されて、超長期主導で売り込まれる局面もあった」と説明。ただ、「オペそのものは良かったことや、引き続き投票を控えていることなどもあり、後場に戻している」と話した。「今週は国民投票の結果が判明する前に20年債入札がある。水準そのものもさることながら、結果判明前のタイミングというスケジュール的な問題もあり、非常に厳しい入札になることが予想される」と述べた。

新発20年債利回りの推移

  長期国債先物市場で中心限月の9月物は、前週末比9銭安の152円16銭で取引を開始。直後に8銭高の152円33銭まで上昇したが、午前の日銀オペ通知後は水準を切り下げ、14銭安の152円11銭まで下げた。午後の取引では、オペ結果を受けてプラス圏に戻し、結局は2銭高の152円27銭で引けた。

  日銀がこの日実施した今月6回目の長期国債の買い入れオペの結果によると、残存期間「1年超」の応札倍率が前回から低下した一方、「5年超10年以下」はやや上昇した。市場参加者の一部には10年超を対象とするオペが通知されるとの見方が出ていた。

リスクセンチメントの巻き戻し

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「先週末からリスクセンチメントの巻き戻しが起こっており、やや売り優勢で始まった。米独国債利回りの行き過ぎた低下がいったん戻し、日経平均株価も上昇する中、円債も水準修正の動きが続きやすい」と話した。

  英国では23日にEU離脱の是非を問う国民投票を控え、最新の世論調査では残留派がやや優勢となっている。英EU離脱リスク懸念の緩和を背景に前週末の海外市場では、米国の10年債利回りが前日比3bp上昇の1.61%と、前日に付けた2012年以来の低水準1.52%から上昇。ドイツの10年国債利回りも過去最低のマイナス0.038%から0.02%に戻した。

  英ブックメーカー(賭け屋)ウィリアム・ヒルがウェブサイトで明らかにした最新の予想オッズは、離脱が9/4、残留が1/3となった。これは残留の可能性が75%、離脱の可能性が31%であることを示す。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証の稲留氏は、英国民投票の結果に対する反応として、「値動きの大きさは相場つきによる部分もあるが、離脱=リスクオフ、残留=リスクオンに素直に反応するとみられ、リスクオフの場合には、先週各年限が記録した過去最低値が視野に入ってもおかしくない」と指摘。一方、「リスクオンの場合、10年債利回りであればマイナス0.10%を中心としたレンジといった離脱を急激に織り込む前の水準に戻す可能性もあるだろう」と言う。

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