英首相:EU離脱派は有権者を欺いている-両陣営が運動再開

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  • 離脱派の反移民の主張などには誤りがあるとキャメロン首相
  • 両陣営はコックス下院議員が殺害された後、活動を自粛していた

英国の欧州連合(EU)からの残留か離脱かを問う国民投票が23日に迫る中、キャメロン英首相は19日、離脱派への批判を再開した。同首相は、離脱派が有権者を欺いて離脱支持に投票させようとしていると訴えた。

  ジョー・コックス下院議員(労働党)が16日に銃撃され死亡したのを受けて、両陣営はキャンペーンを自粛していた。キャメロン首相は英国放送協会(BBC)の特別番組で聴衆の質問に答え、離脱派の移民に反対する一部の論調を批判したほか、幾つかの主張の誤りを具体的に指摘。トルコのEU加盟や統合欧州軍への参加のほか、離脱派がリーフレットでEU加盟のコストとして挙げている週当たり3億5000万ポンド(約530億円)という数字に言及した。

  キャメロン首相は「離脱賛成論があることは重々承知しているが、離脱派のリーフレットに書かれているこれら3点は全く真実ではない」と述べ、「完全な誤りである3つの指摘に基づいて英経済に打撃を与え、雇用の展望を失わせたとしたら悲劇としか言いようがない」と指摘した。

  英国のEU離脱に至れば世界市場が混乱に陥るとの懸念が広がる中、各国政府や投資家の関心は23日の英国民投票に集中している。世論調査では依然、離脱支持と残留支持が拮抗(きっこう)し予断を許さない情勢ではあるものの、19日に発表された複数の調査結果では数週間ぶりに残留派が若干のリードを奪った。これを受け、ポンドはアジア時間20日早朝の外国為替市場で上昇した。

  また19日付の英紙ガーディアンはノーベル経済学賞受賞者10人による共同書簡を掲載。経済学者らは英国はEUにとどまった方が経済的に豊かになると訴えた。

  キャメロン首相は同番組で、EU離脱はリスクであり、エコノミストの大多数は英経済が打撃を受けると警告していると、従来の主張を繰り返した。

  この日、キャメロン首相に先立ち、離脱派の主導者らもテレビ番組に出演したが移民問題で厳しい追及を受けた。英独立党(UKIP)のファラージュ党首は憎しみを煽っているのではないかとの質問に、「正直言って、私はこれまで憎しみの犠牲になってきた政治家だ。この国で支配層に逆らうと攻撃され、あらゆる批判を受ける」と反論した。

  離脱派のリーダーの1人であるゴーブ司法相はファラージュ氏との立場の違いを強調。ファラージュ氏が先週公開したポスターにEUへの移住を目指し列を作る難民の写真が使われていたことについて、「このポスターを見た時、ぞっとした。これはやってはいけない事だ」とBBCとのインタビューで語った。

  ブックメーカーのオッズに基づくオッズチェッカーの試算によれば、投票で離脱が決まる可能性は先週15日の約40%から19日には30%強に低下した。これはこの約2週間で最大の下落幅。

原題:Brexit Campaigners Are Deceiving Voters, Cameron Says (2)(抜粋)

(3段落以降を追加して更新しました.)
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