6月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、米利上げペース減速の見通しで

17日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。ドル指数は過去 6週間で最長の3日連続低下となった。米金融政策引き締めペース減速 や欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国民投票といった、政治的およ び経済的な逆風が重しとなった。

ドルは主要通貨の大半に対して下落。今週の米連邦公開市場委員会 (FOMC)では年内に2回以上の利上げを予想する当局者が減ったこ とが明らかになったほか、経済はまだら模様の様相を呈しているとの見 解が示された。23日に英国民投票を控え、為替市場では引き続き値動き の荒い展開が続いている。

ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、キット・ジャックス氏 (ロンドン在勤)はブルームバーグテレビジョンで、「米金融当局はニ ューノーマルを受け入れている。せいぜい2%の成長率が限界という世 界だ」と指摘。「市場では英国のEU離脱・残留の問題に注目が集まっ ているが、もっと大きなストーリーは米金融当局が政策手段や影響力を 失いつつあることだと言わざるを得ない」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.5%低下。ドルは 対ユーロで0.5%安の1ユーロ=1.1277ドル。対円ではほぼ変わらずの 1ドル=104円16銭。

JPモルガン・チェースの主要7カ国(G7)通貨ボラティリティ 指数は14日に12.79と、2011年12月以来の高水準に達した。

麻生太郎財務相は円が20カ月ぶり高値をつけたことを極めて憂慮し ているとして、これまで以上に必要な時にはしっかりと対応すると、一 歩踏み込んだ発言をした。これを受けて円は一時下落する場面もあっ た。

スタンダードチャータードの為替ストラテジスト、アイメア・デー リー氏(ロンドン在勤)は「英国民投票にかけて、円は強くなるだろ う」と指摘。「典型的な安全逃避通貨だ」とし、世界市場の「著しい不 透明感」を踏まえれば、ドル・円は下落する可能性があると述べた。

原題:Dollar Weakens on Fed Fallout as Brexit Risk Whipsaws Currencie (抜粋)

◎米国株:反落、テクノロジーやヘルスケア関連に売り

17日の米国株は反落。S&P500種株価指数は過去7営業日のうち 6日で下げた。この日はヘルスケア関連やテクノロジー銘柄が売られ た。

アップルは5週ぶりの大幅下落。中国・北京市の知的財産当局がア ップルは中国の端末メーカーのデザイン特許を侵害していると指摘した ことに反応した。グーグルの親会社アルファベットや製薬のメルクも安 い。ナスダック・バイオテクノロジー指数は2%下げた。一方、商品株 は上昇。原油価格の反発が支援した。

S&P500種株価指数は0.3%安い2071.22 ポイント。週間ベースで は1.2%下落。先週に続きマイナスとなった。ダウ工業株30種平均 は57.94ドル(0.3%)安い17675.16ドル。ナスダック総合指数は0.9% 下げて、5月23日以来の低水準となった。

ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントの株式トレーディ ング責任者、トーマス・ガルシア氏は「市場は総じてバリュエーション を気にしている。米金融政策当局や欧州の動向にもまだ神経質になって いる」と述べ、「英国の欧州連合(EU)離脱問題以外にも心配の種は たくさんある。どちらの方向にも動けず、レンジ内で取引されている」 と続けた。

英国の欧州連合(EU)残留・離脱を問う国民投票の結果につい て、英ブックメーカー(賭け屋)によれば、この日は離脱派勝利の確率 低下が示唆された。日米をはじめカナダやスイスの金融政策当局は今 週、英EU離脱の場合には経済に打撃が及ぶ恐れがあると警戒を示して きた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は0.2%上昇して19.41。月間ベースでは約37%上昇と、昨年 8月以来で最も上げている。

金利先物市場が織り込む7月の利上げ確率は6%に下げた。今週の 連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表前は約16%だった。利上げ 確率は2017年2月でもまだ、40%程度だ。

S&P500種セクター別10指数のうち5指数が下落した。ヘルスケ アと情報技術が特に売られた。前日値上がりしていた生活必需品もこの 日は下落。一方、エネルギーや素材は上昇した。

原題:U.S. Stocks Resume Slide as Technology, Health-Care Shares Weigh(抜粋)

◎米国債:10年債利回り、12年来の低水準から上昇-1.61%

17日の米国債市場では10年債利回りが前日に付けた2012年以来の低 水準から上昇。英国の欧州連合(EU)離脱の是非をめぐる国民投票の キャンペーンが停止されたことで、安全資産としての米国債の需要が後 退した。

10年債相場は、ここ3週間の上げとしては2月以降で最大となっ た。一方、独10年債は下落。同債は前日、利回りが初めてマイナスとな っていた。日本の10年債も下落。前日には利回りが過去最低を更新して いた。

オッズチェッカーのブックメーカー調査では17日、英国のEU離脱 を予測する比率が40%未満に低下した。16日は44%強だった。イングラ ンド銀行(英中央銀行)は16日、EU離脱となれば英国の経済成長と雇 用は打撃を受けると警告した。ジョー・コックス英下院議員(労働党) が銃撃され死亡した事件を受け、国民投票のキャンペーンは16日に続い て17日も停止された。

TDセキュリティーズのグローバル金利戦略責任者、プリヤ・ミス ラ氏は「これは質への逃避を巻き戻す動きだ」と分析。「今週は英国の EU離脱リスクに対する市場の織り込みが焦点だった。キャンペーンが 停止されたことから、市場は離脱の可能性が低下したとみている」と続 けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の1.61%。同年債(表面利率1.625%、2026年5 月償還)価格は100 5/32。利回りは前日、1.52%と12年8月以来の低水 準を付ける場面があった。

10年債利回りは週間ベースで3週連続低下となった。ブルームバー グのデータによれば、3週間での低下幅は合計で24bp。

クレディ・アグリコルCIBの金利ストラテジスト、オーランド・ グリーン氏は「キャンペーンの停止で英国のEU離脱が一時的に注目材 料でなくなり、比較的静かな環境の中で少し揺り戻しの機会が生まれた ようだ」と述べた。

英中銀は16日、国民投票は「英金融市場が直面する目先の最大のリ スクだ」と指摘。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は今週 の連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置き決定について、英 国民投票を考慮に入れたと述べた。

原題:Treasury Yields Rise From Lowest Since 2012 as Haven Bid Fades(抜粋)

◎NY金:週間ベースで3週連続高-オープン・インタレスト増加

17日のニューヨーク金先物相場は下落。週間ベースでは3週連続の 上昇。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の先物の未決済建玉 (オープン・インタレスト)はほぼ1カ月ぶりの高水準となった。

BMOキャピタル・マーケッツの商品トレーディング担当ディレク ター、タイ・ウォン氏は「金は英国の欧州連合(EU)離脱の可能性が 大きく高まる前から上昇していた。その動きは続くだろう」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は前日 比0.3%安の1オンス=1294.80ドルで終了。週間では1.5%高。銀先物 も下落。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウ ムも値下がり。

原題:Gold Open Interest Touches 1-Month High in Sign of Durable Rally(抜粋)

◎NY原油:2カ月ぶりの大幅高-ドル下落で商品の妙味が上昇

17日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が急反発し、約2カ月ぶりの大幅高。ド ルの下落で商品の投資妙味が高まった。原油は週間ベースでは下落。

みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレ クター、ボブ・ヨーガー氏は「ドルの下落に伴い、原油は上値を追う展 開になっている」と指摘。「6営業日連続で大きく下げた後で市場に反 発の準備が整ったところに、ドルが買いの理由を与えた」と説明した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比1.77ドル(3.83%)高い1バレル=47.98ドルで終了。4月12日以来 の大幅上昇。週間では2.2%の値下がり。ロンドンICEのブレント8 月限は1.98ドル(4.2%)上昇の49.17ドル。

原題:Crude Oil Advances Most in Two Months as U.S. Dollar Declines(抜粋)

◎欧州株:反発、原油価格上昇と英EU離脱の懸念後退で

17日の欧州株式相場は反発した。原油価格の上昇で石油・ガス銘柄 が買われたほか、英国の欧州連合(EU)離脱懸念の後退も株式の買い を後押しした。

指標のストックス欧州600指数は前日比1.4%高の325.78。前日には EU残留を支持するジョー・コックス英下院議員が殺害される事件が発 生。事件を受け、ブックメーカーのオッズを基にオッズチェッカーが算 出するEU離脱の確率は引け際にやや戻した以外、ほぼ終日低下した。

個別では、週初から売り込まれていたイタリアとギリシャの銀行株 がこの日の反発を主導。原油価格の上昇に伴い、トタルとBPはそれぞ れ2%前後上げた。ストックス600指数構成銘柄の出来高は30日平均 を64%上回る活況となった。

エクイネット・バンクのフランクフルト在勤トレーダー、トルステ ン・エンゲルマン氏は「英国のEU離脱懸念がやや後退を始めたほか、 市場は少し売られ過ぎていた」と指摘。「たとえ離脱が実現したとして も、ここ数日の大幅な下げで十分な懸念がすでに織り込まれたと言え る」と述べた。

原題:Europe Stocks Rebound to Trim Weekly Drop as Brexit Worry Eases(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債が反落-英国民投票キャンペーン停止でリスクオン

17日の欧州債市場では、ドイツ国債相場が4日ぶりに下落。より高 い利回りを物色する流れでスペイン債とイタリア債は買われた。

前日にはリスク回避志向の高まりでドイツ債利回りが年限10年まで 過去最低を更新していた。英国の欧州連合(EU)残留・離脱が懸か る23日の国民投票のキャンペーンが停止されたことを背景にリスクテー ク意欲が回復した。

KBCバンクの債券ストラテジスト、マティアス・ファンデルユフ ト氏(ブリュッセル在勤)は「総体的なリスクセンチメントの変化がこ の日の動きの背景にある」とした上で、「週末を控えて買われ過ぎの中 核国国債で利益確定も幾分あった。逆に周辺国債はこのところの英国離 脱をめぐるセンチメントの変化で売り込まれていた」と話した。

欧州債相場は英国民投票結果をめぐる観測に振り回されていたが、 残留派の英下院議員殺害を受けてキャンペーンが停止された。

ロンドン時間午後4時45分現在、ドイツ10年債利回りは前日比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.02%。前日には過去 最低のマイナス0.038%を付けていた。2026年2月償還債(表面利 率0.5%)の価格は0.41下落し104.655となった。

一方、スペイン10年債利回りは4bp低下の1.56%。イタリア10年 債利回りも3pb低下し1.51%となった。

原題:German Bonds Halt Rally as Investors Back Higher-Yielding Debt(抜粋)

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