ドルは104円前半、円高一服も英国民投票警戒-財務相が円高けん制

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  • 午前に一時104円83銭を付けた後、午後には104円13銭まで下げる
  • 週末またいでポジションを保持するのが困難になっている-みずほ証

17日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=104円台で推移した。日本株の反発や麻生太郎財務相の円高けん制発言を受けて、急激な円高が一服。半面、英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票を来週に控えて、警戒感が円を下支えした。

  午後4時5分現在のドル・円は104円20銭前後。午前に104円83銭までドル高・円安に振れたが、日本株が伸び悩む中、午後には一時104円13銭まで値を切り下げた。

  みずほ証券投資情報部の由井謙二FXストラテジストは、「英国民投票については、襲撃事件などもあり、ますます不透明感が増しており、週末をまたいでポジションを保持するのが困難になっている」と指摘。ドル・円の動きについては、ここまで円高が進んだこともあり、財務相からの口先介入が出てきたこともあって、「一段の円買いを進めづらくなったことも影響しているだろう」と話した。   

  16日の取引では、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策当局者の利上げ見通しが弱まったことに続き、日本銀行が追加緩和を見送ったことで、円高が加速。ドル・円は105円を割り込み、一時1年10カ月ぶりの円高値103円55銭を付けた。  

  麻生財務相はこの日の閣議後会見で、為替相場について、一方的に偏った投機的な動きで極めて憂慮しているとして、これまで以上に必要な時にはしっかりと対応すると述べた。財務省、金融庁、日銀はこの日午前に国際金融資本市場に係る情報交換会合を開催。浅川雅嗣財務官は会合後、「金融、資本、為替市場の現状に対する認識を共有した」とした上で「非常にボラティリティが高くなっている。それぞれの持ち場で注視し、情報交換を密にする」と説明した。 
  
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、当局者会合の開催について、今すぐ介入があるとは思わないが、ドル・円が企業の輸出採算レートに近づく中で、「英国民投票もあるので、ひとまず打ち合わせをしておこうということだろう」と指摘。その上で、「英国民投票前はあまり動けない。ドル・円が日銀緩和見送り前の水準を回復するのは難しいのではないか」と語った。  

  17日の東京株式相場は反発。ただ、日経平均株価は午前に300円超上げた後、伸び悩み、165円高で取引を終えた。

英国民投票

  EU残留を支持するジョー・コックス下院議員(労働党)が男に銃撃され死亡したことを受けて、英国の残留、離脱をそれぞれ訴える両陣営は国民投票に向けた17日のキャンペーンを中止する。

  ポンド・円相場は前日に2013年4月以来の1ポンド=145円台前半までポンド安・円高が進んだ後反発し、この日の東京市場では午前に149円台後半まで値を戻す場面もあった。ユーロ・円相場も前日に13年1月以来の水準となる1ユーロ=115円50銭までユーロ安・円高が進行。この日は一時118円台に乗せた後、117円ちょうど付近まで値を戻した。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、英国民投票は依然として先行き不透明な状態が続き、「安全資産とされやすい円は買われやすい地合いが継続する」と予想。ただ、きょうは目立ったイベントがないほか、週末を控えていることもあり、積極的にポジションを構築する理由は見当たらないと指摘した。

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