6月16日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円上昇、日銀の追加緩和見送りで-英投票前に逃避需要も

16日のニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで上昇。欧州の取 引時間帯に2014年8月以来の高値を付けた。日本銀行が追加緩和を見送 ったことが円買いを誘った。

円は主要31通貨全てに対して上昇した。黒田東彦総裁率いる日銀は マイナス金利の効果を当面見極める考えを示した。欧州連合(EU)残 留か離脱かを問う英国民投票を23日に控え、円への逃避需要が強まって いるため、6月全体では円のパフォーマンスが最も高い。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が前日の会合で政策金利予測を 下方修正したため、ドルは一段安となり、年初来パフォーマンスは先進 国通貨でポンドに次いでワースト2になった。

日本の経済成長率が低く、インフレ率が2%という当局の目標にほ ど遠いため、黒田総裁に対して追加緩和を求める圧力が強まっている。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)の通貨スト ラテジスト、ニール・メラー氏は、今後数カ月以内を視野に「日銀が行 動に向けて準備しているのは明らかだ」と指摘。「今回、日銀が行動し なかった一因はEU残留の是非を問う英国民投票だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで1.7%上げて1ドル =104円25銭。一時は103円55銭と、ほぼ2年ぶりの円高水準を付けた。 年初来では15%超と、全ての先進国通貨を上回っている。対ユーロでは この日、2%高い1ユーロ=117円04銭。

スイス国立銀行は16日、政策金利の据え置きを発表した。英国の国 民投票を控え、起こり得る波乱に備えて政策余地を温存した。同中銀は スイス・フランが依然として大幅に過大評価されているとし、必要であ れば外為市場に介入すると重ねて表明した。フランは対ユーロで0.2% 安の1ユーロ=1.08443フラン。

マラヤン・バンキングの為替調査責任者、サクチャンディ・スパー ト氏(シンガポール在勤)は予想される日銀の追加緩和の前に参院選が 近づいていることから、円は対ドルで今後4週間以内に101円に上昇す ると予想した。

三菱東京UFJ銀行の世界市場調査部門の東アジア責任者、クリ フ・タン氏は「日ごとに100円に達する深刻なリスクが強まっている。 日本の国内外の投資家は政府が経済再生で多くのことができるとの見通 しをあきらめ始めている」と指摘した。

原題:Yen Surges to Strongest Since August 2014 as BOJ Holds Fire(抜粋)

◎米国株:S&P500種が反発、過去4カ月で最長の連続安から脱却

16日の米国株式相場は6日ぶりに上昇。S&P500種株価指数は2 月以来の最長連続安を抜け出した。英国の欧州連合(EU)残留・離脱 をめぐる見方に変化が起きていることが背景にある。

株価は一時1%安をつけていた。イングランド北部、ウェストヨー クシャーで集会中に銃撃されたEU残留支持派のジョー・コックス下院 議員(労働党)は、搬送先の病院で死亡した。これを受け離脱派と残留 派両陣営は来週の国民投票を控えた運動を停止した。来週実施される国 民投票ではEU残留が支持される可能性が高いとの見方が強まってい る。この日は電気通信サービスや公益事業銘柄が上げを主導した。一 方、エネルギー株は売られた。

S&P500種株価指数は0.3 %上げて2077.99。ダウ工業株30種平均 は前日比92.93ドル(0.5%)高の17733.10ドルで終えた。ナスダック総 合指数は0.2%上昇した。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ投資ストラテジスト、 マーク・ルッシニ氏は「最新の世論調査によれば残留か離脱かの判断は きわどい、もしくは離脱の方向に傾きつつあることが示されていた」と 述べ、「投票に向けた運動が若干落ち着くことで、キャンペーン過熱が 離脱の方向に票を動かすと考えていた投資家は一息つけるかもしれな い」と続けた。

トレーダーは、オッズチェッカーのブックメーカー調査でEU離脱 を予測する比率の低下が示されたと同時に株式が回復したことを指摘す る。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は3.7%低下して19.40。3日連続で低下した。13日には2 月23日以来の高水準をつけていた。

一連の世論調査で離脱を支持する英国民が多かったことから、国民 投票の結果が悪影響をもたらす可能性があるとの見方を背景に株価は下 落していたが、この日は持ち直した。

日米をはじめカナダやスイスの金融政策当局も英EU離脱問題が世 界経済を乱す恐れがあると警戒感を示してきた。米連邦準備制度理事会 (FRB)のイエレン議長は前日の連邦公開市場委員会(FOMC)声 明発表後の記者会見で、英国民投票は「経済や世界金融市場の状況に影 響を及ぼし得る決定だ」と指摘。EU離脱が決まれば「米経済見通しに 影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する 一因になるだろう」と話した。

S&P500種セクター別10指数のうち配当利回りの高い電気通信や 公益事業銘柄が特に上昇した。さらに生活必需品銘柄も買われた。ホー メル・フーズやタイソン・フーズ、キャンベル・スープはいずれも上昇 した。

原題:U.S. Equities Rebound Amid Shifting Sentiment on Brexit Vote(抜粋)

◎米国債:上げを消す、10年債利回りは一時2012年以来の低水準

16日の米国債相場は上げを消す展開となった。欧州連合(EU)離 脱の是非を問う英国民投票を控え、投資家の見方に変化が生じてい る。10年債利回りは一時、2012年以来の低水準を付ける場面があった。

この日は英労働党の下院議員が銃撃され死亡する事件があり、これ を受けてEU離脱派と残留派の両陣営とも国民投票を控えた運動を停 止。こうした動きの中、米10年債利回りは上昇した。一時は世界的な国 債買いの流れを引き継ぎ、米国債相場は上昇していた。

英国民投票をめぐるここ数日の世論調査では、離脱派がリードして いる。また英紙ガーディアン目撃者の話として伝えたところによると、 銃撃犯は犯行の際に、移民受け入れに反対し、EU離脱を主張するグル ープのスローガンである「ブリテン・ファースト(英国最優先を)」と 叫んだ。

野村ホールディングスのストラテジスト、スタンリー・サン氏は 「英国のEU離脱の可能性がわずかに低下したことで、リスクオンの地 合いがやや強まっている」と指摘。「英国のEU離脱懸念が消えたとは 考えていない。ただ、けさの債券価格の動きは極めて大きく、一日の動 きとしてはやや行き過ぎだったと思われる」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後1時45分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の1.57%。一時1.52%と、日中ベースで12年8月 以来の低水準を付ける場面があった。

野村ホールディングスのストラテジスト、スタンリー・サン氏は 「英国のEU離脱の可能性がわずかに低下したことで、リスクオンの地 合いがやや強まっている」と指摘。「英国のEU離脱懸念が消えたとは 考えていない。ただ、けさの債券価格の動きは極めて大きく、一日の動 きとしてはやや行き過ぎだったと思われる」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の1.58%。一時1.52%と、日中ベースで12年8月以来 の低水準を付ける場面があった。

FOMCは前日、政策金利を据え置いた上で、政策引き締めの道筋 に関する予想を引き下げた。FOMC終了後に公表された当局者による 最新の予測では、年内2回以上の利上げを予想する当局者の数は3カ月 前と比較して減少した。

10年債は割高とみなされる水準にあるものの、米国債には旺盛な需 要がみられる。ニューヨーク連銀が開発した金融モデルに基づく10年物 タームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)は、1962年以来の低水準 が続いている。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「利回りがプラスなのは米国債のみだ」と し、「海外でマイナス金利の度合いが一段と高まれば、米国の10年債へ の需要はさらに強まる」と続けた。

先物市場に織り込まれる7月会合での米利上げ確率は8%と、年初 時点の79%から低下。年内1回の利上げ確率は現在、約37%となってい る。

原題:Treasuries Erase Gains After Yields Touch Lowest Level Since ’12(抜粋)

◎NY金:2年ぶり高値付近から下げる、英EU離脱観測が後退

16日のニューヨーク金相場はほぼ2年ぶり高値から反落。来週の英 国民投票で欧州連合(EU)離脱が決まるとの見方が後退、逃避先とし ての買いが減退した。残留を支持していた英下院議員が銃撃されたこと を受け、残留派が票を伸ばすとの観測が強まった。

RBCウェルス・マネジメントのマネジングディレクター、ジョー ジ・ジロ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「残留となれ ば、逃避の金買いが弱まることが分かった」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後2時42分 現在、金スポット相場は前日比0.4%安の1オンス=1286.20ドル。一時 は1.9%高と、2014年8月以来の高値をつけた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は前日 比0.8%高の1オンス=1298.40ドルで終了。引け後の電子取引では上げ 幅を縮小した。銀先物7月限は0.6%上げて17.607ドル。

原題:Gold Slides From Near Two-Year High as Brexit Bets Retreat (抜粋)

◎NY原油:大幅続落、1カ月ぶり安値-世界経済失速を懸念

16日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が急落し、2月以降で最長の6営業日連 続安。世界経済が失速しつつあるとの懸念が深まっている。世界経済成 長に対する懸念を示す中央銀行が相次ぎ、市場ではエネルギーや産業用 金属への投資が控えられた。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB) 議長は前日、政策金利の据え置きを決めた要素の一つとして、欧州連合 (EU)離脱の是非を問う英国民投票を挙げた。

ソシエテ・ジェネラルの石油市場調査責任者、マイケル・ウィトナ ー氏(ニューヨーク在勤)は「リスク回避の波が押し寄せている」と語 る。「すでにあった経済不安がここに来て増幅している。FOMCが前 日示した極めて慎重な姿勢は経済の弱々しさを浮き彫りにした。来週の 英国民投票は大きな不安材料だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比1.80ドル(3.75%)安い1バレル=46.21ドルで終了。終値ベースで 5月13日以来の安値。1日の下げとしては4月1日以来の最大。この6 営業日で9.8%下げた。ロンドンICEのブレント8月限は1.78ドル (3.6%)下げて47.19ドル。

原題:Crude Tumbles to One-Month Low on Concern Global Growth to Slow(抜粋)

◎欧州株:反落、過去7日間で6度目の下げ-引け間際に下げ幅縮小

16日の欧州株式相場は再び売り優勢となった。引け間際に下げ幅を 縮小したものの、下落は過去7営業日で6度目で、前日の反発は短命に 終わった。

原油価格の下げが加速したうえ、日米の中央銀行が政策を据え置 き、金融政策や経済成長に対する不安が拡大した。同時に、1週間後に 迫った国民投票で英国が欧州連合(EU)離脱を決めるとの懸念も強ま った。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.7%安の321.29で引けた。 幅広い銘柄が売られ、指数構成銘柄のうち515銘柄が下落。英国の野党 議員が銃撃され、同国の政治家が国民投票に向けた選挙活動を一時停止 したと伝わった後、指数は1.6%安となる場面もあった。指数構成銘柄 の出来高は30日平均を32%上回った。

西欧市場ではギリシャとイタリア市場の下げが目立ったが、ドイツ のDAX指数は0.6%安、英FTSE100指数は0.3%安と主要市場の指 数はすべて下落した。個別では周辺国の銀行が特に売り込まれた。ドイ ツ銀行は2.2%安、クレディ・スイスは1.4%安。ドイツの自動車メーカ ー、フォルクスワーゲンは2.2%安。同社の欧州市場でのシェアは5月 に昨年12月以降で最も大きく縮小し、5年ぶりの低水準となった。

原題:Europe Stocks Pare Losses in Last Hour of Trading; Futures Rise(抜粋)

◎欧州債:独10年債利回り、過去最低更新-イエレン氏ハト派発言で

16日の欧州債市場では、ドイツ10年債利回りが過去最低を更新し た。日米の中央銀行政策会合を経て、従来見込まれた以上に低金利が長 く続くとの期待が強まったことが背景にある。

欧州連合(EU)残留・離脱を問う英国の国民投票も、安全資産を 求める動きを加速させている。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエ レン議長は15日、金融政策を据え置いた理由の一つとしてこの国民投票 を挙げていた。

ノルデア銀行のチーフストラテジスト、ヤン・フォンゲリッヒ氏は 国債利回りの低下について、「大半はFOMC後の米国市場の動きから の波及効果だ」と指摘。「米当局はハト派で、特に低金利の長期化を示 唆したことはやや予想外だった。さらに英国のEU離脱懸念が続き、リ スク志向が一段と低下した」と述べた。

ロンドン時間午後4時33分現在、ドイツ10年債利回りは前日比1ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下のマイナス0.02%。日中 には過去最低となるマイナス0.038%を付ける場面もあった。2026年2 月償還債(表面利率0.5%)の価格は0.1上昇し105.035となった。

ドイツ2年債利回りはマイナス0.609%、30年債利回りは昨年4月 以来となる0.48%に低下した。一方、スペイン10年債利回りは4bp上 昇の1.61%。一時は1カ月ぶりの水準となる1.63%まで売られた。

原題:German Bond Yields Slide to Records as Dovish Fed Meets Brexit(抜粋)

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