NY外為:円上昇、日銀の追加緩和見送りで-英投票前に逃避需要

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16日のニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで上昇。欧州の取引時間帯に2014年8月以来の高値を付けた。日本銀行が追加緩和を見送ったことが円買いを誘った。

  円は主要31通貨全てに対して上昇した。黒田東彦総裁率いる日銀はマイナス金利の効果を当面見極める考えを示した。欧州連合(EU)残留か離脱かを問う英国民投票を23日に控え、円への逃避需要が強まっているため、6月全体では円のパフォーマンスが最も高い。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)が前日の会合で政策金利予測を下方修正したため、ドルは一段安となり、年初来パフォーマンスは先進国通貨でポンドに次いでワースト2になった。

  日本の経済成長率が低く、インフレ率が2%という当局の目標にほど遠いため、黒田総裁に対して追加緩和を求める圧力が強まっている。

英国のEU離脱キャンペーン

Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

  バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)の通貨ストラテジスト、ニール・メラー氏は、今後数カ月以内を視野に「日銀が行動に向けて準備しているのは明らかだ」と指摘。「今回、日銀が行動しなかった一因はEU残留の是非を問う英国民投票だ」と述べた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで1.7%上げて1ドル=104円25銭。一時は103円55銭と、ほぼ2年ぶりの円高水準を付けた。年初来では15%超と、全ての先進国通貨を上回っている。対ユーロではこの日、2%高い1ユーロ=117円04銭。

  スイス国立銀行は16日、政策金利の据え置きを発表した。英国の国民投票を控え、起こり得る波乱に備えて政策余地を温存した。同中銀はスイス・フランが依然として大幅に過大評価されているとし、必要であれば外為市場に介入すると重ねて表明した。フランは対ユーロで0.2%安の1ユーロ=1.08443フラン。

  マラヤン・バンキングの為替調査責任者、サクチャンディ・スパート氏(シンガポール在勤)は予想される日銀の追加緩和の前に参院選が近づいていることから、円は対ドルで今後4週間以内に101円に上昇すると予想した。
  
  三菱東京UFJ銀行の世界市場調査部門の東アジア責任者、クリフ・タン氏は「日ごとに100円に達する深刻なリスクが強まっている。日本の国内外の投資家は政府が経済再生で多くのことができるとの見通しをあきらめ始めている」と指摘した。

  
原題:Yen Surges to Strongest Since August 2014 as BOJ Holds Fire(抜粋)

(第7段落以降を追加し、更新します.)
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