債券大幅安、フラット化の反動で超長期債売り-流動性入札後に急落も

更新日時
  • 先物は48銭安の152円25銭で終了、長期金利マイナス0.145%まで上昇
  • 行き過ぎたブルフラットニングの修正-バークレイズ証

債券相場は大幅安。前日まで超長期債を中心に買い進まれ、利回り曲線のフラット(平たん)化が急激に進展したことの反動が出た。この日実施の流動性供給入札で、超長期ゾーンの需給の緩みが示されたことも売り材料となった。

  17日の長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比5銭安の152円68銭で取引を開始した。午後に入って、流動性供給入札の結果が発表されると下げ幅を拡大し、65銭安の152円08銭まで急落。結局は48銭安の152円25銭で終了した。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「昨日までの行き過ぎたブルフラットニングの修正が起こっている。昨日のオーバーナイトからリスクセンチメントが戻しており、東京時間でも株高となり、こうした流れを後押しした」と話した。「そういう中で、長いところの流動性供給入札が低い応札倍率となったことから、この水準でのニーズが弱いことが確認されたことで、先物主導で売りが優勢だった」と説明した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.19%で開始した。午後はマイナス0.145%と10日以来の水準まで上昇し、マイナス0.15%に戻している。

  新発20年物の156回債利回りは8bp高い0.175%、新発30年物の51回債利回りは10bp高い0.245%までそれぞれ上昇した。前日は0.09%、0.15%まで下げ、連日で過去最低を更新した。新発40年物の9回債利回りは0.195%で開始し、前日に記録した取引ベースでの最低水準0.20%を下回ったが、その後は0.265%に上昇した。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッドは、「やり過ぎた分の調整。金利低下のスピード調整という感じで、前日の反動の動き」と説明。「前日は円高・株安、金利低下となったが、この流れが米国市場で止まった」と話した。

流動性供給入札

  財務省が午後発表した流動性供給入札(発行額4000億円)の結果によると、募入最大利回り較差がプラス0.039%、募入平均利回り較差がプラス0.020%となった。今回は残存期間15.5年超から39年未満の国債が対象。投資家需要の強弱を示す応札倍率は1.88倍と、前回同年限入札の2.63倍から低下した。全体では2012年12月の1.34倍以来の低水準だった。

  三井住友アセットマネジメントの深代氏は、「プラス金利の超長期債がなくなるようなスピードで金利が低下したが、今日は落ち着く中で、抑えられている。冷静さを取り戻した入札結果。今日1日で見れば安いが、大崩れする感じではない」と話した。

  16日の米国債相場は小幅安。米10年債利回りは前日比1bp上昇の1.58%程度で引けた。英国の欧州連合(EU)離脱への懸念を背景に買いが先行し、一時1.52%と12年8月以来の低水準を付けたが、その後は米株高などから売りが優勢となった。この日の東京株式相場は上昇。日経平均株価は前日比1.1%高の1万5599円66銭で引けた。朝方は350円近く上昇する場面があった。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「円高・株安もいったん修正の動きとなり、円債には反動が出た。超長期ゾーンはさすがに行き過ぎ感が出てきた。来週の20年債入札を0.1%で誰が買うのかということはあり、上値は重い」と話した。ただ、「需給面で見れば、国債を積極的に売れる人がいないのも事実。追加緩和がなくても時間とともに利回りは低下していく」との見方も示した。

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