原油市場:OPECの増産困難なら供給不足に転じる可能性も

  • IEA見通しは日量65万バレルのOPEC増産予想に基づいている
  • 供給が増加しなければ在庫が減少し始める見込み

最も代表的な原油価格予想機関である国際エネルギー機関(IEA)は、世界の原油市場の需給が来年、均衡に近づくとみている。石油輸出国機構(OPEC)加盟国が一部の大規模な供給途絶に対応できない場合は大幅な不足に転じる見通しだ。

  IEAの14日の発表によれば、世界の石油生産は2017年に需要とほぼ均衡し、数年間続いた供給過剰が解消される見込み。IEAのデータに基づいたブルームバーグの算定によると、市場均衡のためには、OPEC加盟国は1年間にわたって計日量65万バレルを増産しなければならない。それにはナイジェリアでの武装勢力による攻撃やリビアでの深刻な政治的分裂、ベネズエラでの経済危機が解決される必要がある。

  コンサルタント会社エナジー・アスペクツ(ロンドン)の石油担当チーフアナリスト、アムリタ・セン氏は「IEAはOPECによる来年の供給拡大について極めて楽観的な想定をしている」と指摘した。

  IEAの需給見通しは取引に影響を及ぼすため重要だ。原油価格は14年以降、ジェットコースターのように変動している。世界的供給過剰により75%下げ今年1月に12年ぶりの安値を付けた後、前例のない設備投資削減に伴う供給減少で1バレル当たりほぼ50ドルまで回復した。

  IEAのデータを基にしたブルームバーグの算定によれば、市場の均衡を保つためにはOPECの生産は来年末までに5月の水準を約100万バレル上回る必要がある。IEAは需給均衡の算定の前提としたOPECの生産水準を公表しておらず、広報部門はこの数値、あるいは前提の根拠についてコメントを控えた。

原題:OPEC Turmoil Could Turn IEA’s Balanced Market Into Shortfall(抜粋)

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