FOMC:米当局は言葉以上に懸念している-市場関係者の見方

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米連邦公開市場委員会(FOMC)は14、15 両日に開催した定例会合後の声明で、成長は加速しているものの、雇用の伸びは鈍化していると指摘し、米経済はまだら模様の様相を呈しているとの見解を示した。同時に発表した経済予測では、年内2回以上の利上げを予測する政策当局者の数が減ったことが明らかになった。

  これについて市場関係者は以下のようにコメントした。

◎7月米利上げの可能性残る、雇用回復と英EU残留が前提-キャピタルE
  FOMCは7月に利上げする可能性がまだあるものの、6月の雇用の「意味のある回復」や英国のEU残留が国民投票で「断固」支持される必要がある。キャピタル・エコノミクスのポール・アシュワース氏が指摘した。
  最も可能性の高いシナリオは9月の会合での0.25ポイント利上げだ。

◎FOMCの利上げは9月以降、インフレや雇用などデータ待ち-UBS
  2016年の金利予測の点の下振れや利上げ回数が2回を上回るよりも下回る方向に傾斜したことは、FOMCが労働市場の活気の「決定的証拠」と海外情勢のリスク後退を待つ考えを示唆している。UBSのモーリー・ハリス氏らが指摘した。
  これは利上げが9月以降になることを示す。それまでに当局はインフレや雇用、失業率、成長率に関する複数のデータを得られる。

◎JPモルガン、FF金利予想を変更-年内利上げは2回でなく1回に
  JPモルガン・チェースのエコノミスト、マイケル・フェロリ氏はリポートで、「われわれは現在、年内利上げ回数の見通しを2回から引き下げ1回だけと予想しており、最も可能性の高い時期は9月だとみている」と指摘した。
  JPモルガンは従来、年内利上げを7月と12月の2回と予想していた。
  FOMC参加者6人がここにきて年内利上げを1回だけと予想しており、「イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長はそのうちの1人だと思う」と述べ、FRB議長に「逆らうのは概して賢明ではない」と指摘した。
  7月利上げの可能性はまだあるものの、向こう6週間で雇用の伸びが「かなり回復し」、インフレとインフレ期待が上向く必要があるだろう。

◎FOMC、利上げを急いでいるようには見受けられない-HFE
  FOMC声明には、5月雇用統計の弱さを気にかけていないような言葉はあまりなかったと、ハイ・フリークエンシー・エコノミクス(HFE)のエコノミスト、ジム・オサリバン氏がリポートで指摘した。
  「急いでいるわけではないようだが、いずれの方向にも具体的な強いシグナルは送っていない」。

◎米金融当局は言葉以上に懸念している-三菱東京のラプキー氏
  米金利正常化ペースの鈍化は「債券資産にとって深い意味を持つ」と、三菱東京UFJ銀行のエコノミスト、クリス・ラプキー氏がリポートで指摘した。
  FRBは「たとえ緩やかなペースでも利上げできるほど米経済は強くないということをわれわれに語っている」。
  「市場は自分たちに見えてない何をFRBが見ているのか問うのが正しい。リスクが増大する世界をFRBが見ていることは間違いない。彼らは言葉で語ることができる以上に懸念している」。

◎FOMC声明は「あえてハト派寄りに」-バークレイズ
  「幾分前向きな」FOMCの声明で7月-9月の利上げの可能性は残されたが、「長期的な政策軌道の大幅な平坦化の方が勝った」とバークレイズのエコノミスト、マイケル・ゲーペン氏、ロブ・マーティン氏がリポートで指摘した。
  イエレンFRB議長は2016年に1回だけの利上げを見込むFOMCメンバー・参加者に属していると考えられる。
  年内1回の利上げ予想を維持し、9月を見込む。7月のハードルは高まった。FOMCは堅調な労働市場の統計が数カ月続けばより安心できるだろう。

◎FOMCは労働市場の引き締まりに後れを取る危険性-パンセオン
  「米金融当局の失業率予想の成績は近年ひどかったが、インフレがうまく制御されていたため当局の誤りは代償を伴わなかった」。パンセオン・マクロエコノミクスのエコノミスト、イアン・シェファードソン氏が6月のFOMC声明と経済予測の公表後にリポートで指摘した。
  「おかしなことに」当局は、失業率が年内これ以上低下しないと予想している。
  賃金が加速する中、失業率への下押し圧力を過小評価していることは一段と重大になる恐れがある。
  FOMCは7月に利上げしないだろう。6月に雇用が直ちに十分回復するとは見込めないためだ。
  FOMCは7月と8月の雇用統計と第3四半期経済成長に関する十分な手掛かりを得られたら9月に利上げし、「賃金上昇が3%に近づくのに対応して」12月に再利上げする見通し。

◎FOMC、少なくとも年内1回の利上げを引き続き示唆-マッコーリー
  FOMC声明と経済予測は予想よりも「ややハト派寄り」で、多くの当局者が年内1回の利上げを支持する陣営に入ったことは少し驚きだった。マッコーリーのストラテジスト、ティエリー・ウィズマン氏が電話インタビューで述べた。
  イエレンFRB議長の記者会見での発言は「非常に穏やかで抑えられた」もので、カレンダーに基づくガイダンスを避けてデータ次第としたことは明らかだ。
  議長は7月について「不可能ではない」と述べ、可能性を排除しなかったものの、利上げが間もなく行われるというようには聞こえない。
  FOMCは明らかに慎重姿勢を強めた。
  年内1回の利上げ予想を維持する。より多くのデータが利用可能になり、記者会見や最新の経済予測も公表される9月だろう。

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