6月15日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが下落、FOMCは緩やかな利上げ軌道を描く

15日のニューヨーク外国為替市場では、連邦公開市場委員会 (FOMC)の結果発表後にドルが一段安の展開となり、対円では一時 1年8カ月ぶり安値を付けた。FOMCは利上げを見送り、将来予測す る利上げの回数がこれまでより減ったことを明らかにした。

ドルは主要通貨の大半に対して下落。米当局者の利上げ予測が下方 修正されたことで、欧州や日本との政策かい離が広がるとの期待が薄ら いだ。FOMCの発表によると、今年の利上げ回数を1度だけと予測す る当局者の数は3月に1人だったが、今回は6人に増えた。

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は14、15 両日に開 催した連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定したこと について、欧州連合(EU)離脱の是非を問う来週の英国民投票を考慮 に入れたと述べた。英国民投票に加えて、日本銀行およびイングランド 銀行の政策決定会合、スペインの選挙が今月控えていることから、ボラ ティリティは4年半ぶりの水準に押し上げられた。

イエレン議長は記者会見で、FOMCの金利決定に通貨が「関係し ているのは確かだ」としながらも、「金融政策に制約を与えているとま では言うつもりはない」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.5%安い1ユ ーロ=1.1260ドル。対円では0.1%下げて106円01銭。一時は2014年10月 以来の安値を付けた。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は年初か ら3.8%の下落

ステート・ストリート・グローバル・マーケッツの北米マクロ戦略 責任者、リー・フェリッジ氏は「政策の相違は拡大しないというのが現 実だ。ドルには悪いニュースになろう」と話す。「7月利上げの可能性 が再び浮上するには、データがそれなりに上向く必要があるだろう」と 述べた。

FOMCメンバーの予測によると、年末時点のFF金利予想の中央 値は引き続き0.875%と、残る4回の会合で2回の利上げ実施を見込ん でいることが示唆された。FF金利の長期見通しの中央値は3%と、前 回3月の予測の3.3%から低下した。

この日のFOMCに向けて金利先物市場が織り込んでいた利上げ確 率はゼロだった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストや ストラテジスト77人の調査では、全員が今回は利上げ見送りと予想して いた。先物市場に織り込まれている年内利上げの確率は約40%。14日 の49%から低下した。

原題:Dollar Falls as Fed Foreshadows Gradual Path for Interest Rates(抜粋)

◎米国株:続落、低調な成長見通しや英国のEU離脱問題を懸念

15日の米国株式相場は続落。取引終了直前に急落し、それまでの上 げを消した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利の据え置き を発表。強弱が混在する米国の経済成長や低迷する世界経済を背景に、 中央銀行が講じる刺激策の効果が頭打ちとなったとの懸念が強まった。

株式相場はFOMC後に不安定な動きとなった。原油価格の下落が 影響したほか、米国債利回りの低下で金融株が押し下げられた。

S&P500種株価指数は前日比0.2%安の2071.50 で終了し、5営業 日連続安。一時は0.5%上昇していた。ダウ工業株30種平均は34.65ドル (0.2%)下げて17640.17ドルで終えた。ナスダック総合指数は0.2%下 げた。

マックイーン・ボール・アンド・アソシエイツ(ペンシルベニア州 ベスレヘム)の最高投資責任者(CIO)、ビル・シュルツ氏は「当局 がこれまで示唆してきた利上げペースを後退させたのは、利上げに必要 な力強さが見られないからだと受け止められる可能性がある。景気は停 滞している」と述べ、「低金利以外に株式相場を押し上げる策がなけれ ば、ここで失速する。今月の英国民投票をめぐる不透明感を考えると、 最も自然な流れは今のところ下落のようだ」と続けた。

トレーダーによれば午後に入っても株への売り圧力は見られていた が、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見が終わる まで相場は持ちこたえていた。下落のきっかけとなったのはFOMC声 明発表後に下げ始めたニューヨーク原油先物だった。この日のニューヨ ーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート (WTI)先物が2月以降で最長の5営業日続落となった。

FOMCは追加利上げについて慎重なアプローチを示唆した。今年 1回だけの利上げを予想する当局者は前回3月の1人から6人に増え た。今後の金利見通しについては「緩やかな」ペースで上昇する可能性 が高いとの見方をあらためて示した。

金利先物市場が織り込む7月の利上げ確率は6%を割り込んだ。 FOMC声明発表前は18%、2週間前は53%だった。利上げ確率が50% 以上になる時期は2017年2月以降にずれた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は1.8%低下して20.14。2日連続で低下した。

S&P500種のセクター別10指数では6指数が下落。公益事業とヘ ルスケアが特に値下がりした。一方、素材は上昇。 一般消費財・サー ビスも高い。金融はほぼ変わらず。約1.2%の上げをほぼ失った。

原題:U.S. Stocks Retreat Amid Tepid Growth Outlook, Brexit Concerns(抜粋)

◎米国債:上昇、FOMCは金利据え置き-緩やかな利上げを示唆

15日の米国債相場は上昇。2年債利回りは2月以来の低水準を付け た。米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を据え置き、政策引 き締めの道筋がより緩やかなものになることを示唆した。

利回りは全ての年限で低下。FOMCはフェデラルファンド (FF)金利の誘導目標を0.25-0.50%で据え置いた。四半期ごとに公 表されるFOMC参加者の政策金利予測によれば、17人の予測中央値は 引き続き年内2回の0.25ポイント利上げだったが、1回のみの利上げを 予測した当局者が6人と、3月時点での1人から増加した。

FTNファイナンシャルの金利戦略責任者、ジム・ボーゲル氏は当 局者らの予測の変化について「これは大きなシフトで重要な動きだ。金 融当局が捉える全般的な債券市場と投資家の見通しを可能な限り近づけ るのに役立つ」と指摘。「これによりボラティリティは低下し、米国債 投資家は金融当局が取り得る行動にエネルギーを注ぐのではなく、今後 待ち受ける状況に集中することができる」と述べた。

金利先物市場で織り込まれる年内の利上げ確率は約38%と、14日時 点での49%から低下している。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、金融政策に最も敏感な2年債の利回りは前日比5ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.67%。一時2月以来の低 水準を付けた。

FOMC声明では、「労働市場の改善ペースが減速した一方、経済 活動の拡大ペースは上向いたように見受けられる」と記された。この日 のFF金利据え置き決定は全会一致だった。

LPLファイナンシャルの投資ストラテジスト、アンソニー・バレ リ氏は「ハト派寄りの声明といって間違いない」と指摘。「FOMCは 慎重で、海外情勢や労働市場の改善状況、低水準が続くインフレ率を懸 念しているようだ」と話した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は声明発表後の記 者会見で、今回の金利据え置き決定においては、英国の欧州連合 (EU)離脱の是非を問う23日の国民投票を考慮したことを明らかにし た。

政策金利の予測では長期金利予想の中央値は3%、3月時点で は3.3%だった。17年末の予想は1.625%と、3月時点での1.875%から 低下。18年末では2.375%で、3月時点での3%を下回った。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の グローバル戦略アドバイザー、リチャード・クラリダ氏はブルームバー グテレビジョンのインタビューで、「従来のような利上げサイクルには ならない。ペースが緩やかなだけでなく、サイクルにおける最終的な金 利水準もこれまでよりずっと低いものになる」と分析。「これは世界的 に経済の潜在成長率がかなり落ち込んだことを示している」と続けた。

10年債利回りは4bp下げて1.57%。30年債利回りは7営業日連続 での低下となった。

原題:Treasuries Surge as Fed Pares Projections for Interest-Rate Path(抜粋)

◎NY金:上昇、年内に複数回の利上げ予想するFOMC当局者が減少

15日の金スポット相場は上昇。今年2回以上の利上げを予想する米 連邦公開市場委員会(FOMC)当局者が減ったことが背景。

ETFセキュリティーズのエグゼクティブディレクターで北米販売 責任者のスティーブン・ダン氏は「金にとって好ましいニュースだ。金 利上昇による支えを失いドルは弱くなる可能性がある」と指摘した。

ニューヨーク時間午後2時29分現在、金スポット相場は前日 比0.8%高の1オンス=1295.61ドル。

原題:Gold Jumps as Fewer Fed Officials See Multiple Rate Hikes in ’16(抜粋)

◎NY原油:5日続落、2月以来最長-在庫減にもかかわらず

15日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が2月以降で最長の5営業日続落。米国 の原油在庫が減少したものの、カナダの生産回復による影響に打ち消さ れた。

サイプレス・エナジー・キャピタル・マネジメント(ヒュースト ン)の調査ディレクター、カイル・クーパー氏は「この日の統計は実際 に強気な内容だったのに、相場はまだ軟調だ」と指摘。「50ドル近い価 格では買いづらい状況が浮き彫りにされた」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比48セント(0.99%)安い1バレル=48.01ドルで終了。終値ベースで は5月20日以来の安値。この5営業日で6.3%下げた。ロンドンICE のブレント8月限は86セント(1.7%)下げて48.97ドル。

原題:Oil Caps Longest Losing Streak in Four Months(抜粋)

◎欧州株:6日ぶり反発、鉱業株高い-インディテックスなど小売株も

15日の欧州株式相場は6営業日ぶりに反発。鉱業株と小売株の上げ が目立った。米連邦公開市場委員会(FOMC)が追い詰められた市場 を勇気づけるとの観測も広がった。

スイスの資源商社グレンコアが6.5%上昇。金属価格の堅調を背景 に買われ、指標のストックス欧州600指数を占める業種別19指数の中で 鉱業株の上昇率が首位となった。ブランド「ZARA(ザラ)」を展開 するスペインのインディテックスは5.5%値上がり。第1四半期利益が 予想を上回ったことが好感された。周辺国を中心に銀行株も買われた。

ストックス600指数は前日比1%高の323.63で終了。前日は約4カ 月ぶりの安値を付けた。原油相場がもみ合いとなるなかで、指数は終盤 に上げ幅をやや縮めた。FOMCは政策金利を据え置くと見込まれてい るものの、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が政策声明発 表後の記者会見で、今後の利上げ軌道についてヒントを与えるとして注 目されている。先物市場が示唆する7月の利上げ確率は約16%と、月初 の53%から低下。弱い内容だった雇用統計や世界的な金融市場の混乱 で、利上げ見通しは後退した。

サクソバンク(デンマーク)のプライベートバンク部門で最高投資 責任者(CIO)を務めるタイス・クヌートセン氏は、「イエレン議長 は多くの場面で強気相場のきっかけを作った。これが繰り返されること を期待している。個人的には、極めて建設的なコメントを送ろうとする と予想している」と語った。

個別銘柄では、英ソフトウエアメーカーのアヴィバ・グループ は12%安と急落。同社の過半数株取得協議を打ち切ったフランスの電機 メーカー、シュナイダーエレクトリックは2.1%上昇した。

原題:European Stocks Rebound as Miners Rise, Inditex Buoys Retailers(抜粋)

◎欧州債:周辺国債、独債とスプレッド拡大の傾向-英EU離脱懸念で

15日の欧州債市場ではスペインとイタリアの国債相場が一時の上げ を消し、一方、ドイツ国債は下げを埋める展開となった。

英国の欧州連合(EU)残留・離脱を問う国民投票をめぐる不透明 感を背景にした質への逃避で、ドイツ10年債利回りは14日に初めてゼロ を下回る一方、スペイン2年債利回りはプラス圏に戻った。こうした流 れから、イタリア国債のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッ ド)は2月以降の最大に広がった。

このような相場動向は債務危機を想起させるもので、これまでのと ころ欧州中央銀行(ECB)の量的緩和(QE)プログラムが危機の再 発を防いできた。ブルームバーグ・世界債券指数によれば、ユーロ参加 国では全ての国債の過去1年のリターンはプラスだったが、ギリシャと アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペインは過去1週間に限って 見ると、マイナスに陥った。

英国民投票で周辺国債に対する懸念が再燃している。英国がEUを 離脱した場合、域内で混乱が拡大するリスクを高める可能性があると、 アナリストらは指摘。今週発表された4調査会社による5つの世論調査 で、離脱支持派が勢いを増している状況を示した。

みずほインターナショナルの金利ストラテジスト、アントワーヌ・ ブーベ氏(ロンドン在勤)は、国民投票の「結果にかかわらず、周辺国 債のスプレッドは拡大し続けるだろう」とし、「残留が決まった場合、 安堵感から一時的に上昇する可能性もあるが、欧州に与えた政治的ダメ ージは、多くの欧州諸国で懐疑派がますます主流となることに投資家が 注目するだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時32分現在、スペイン10年債(表面利 率1.95%)の利回りは1.55%、価格は103.6。ドイツ10年債利回りはほ ぼ変わらずのマイナス0.016%。

イタリア10年債のドイツ国債に対するスプレッドは151ベーシスポ イント。14日には153bpと、2月以降の最大に拡大した。

スペイン2年債利回りは1bp低下の0.04%。前日までの3営業日 で15bp上昇していた。

原題:Brexit Woe Splits Europe’s Bond Market in Recall of Debt Crisis(抜粋)

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