英不動産市場の苦悩、EU離脱よりも深い-投票結果に関係なく減速か

英国で商業不動産販売が減速しているのは来週実施される国民投票が原因だと、一部の投資家は短絡的に批判してきた。だが欧州連合(EU)残留・離脱を問う投票の結果がどうであれ、今後の市場は失速するとの兆しが増えている。

  リアル・キャピタル・アナリティクスのデータによると、オフィスや店舗、倉庫など英国内の商業不動産販売額は今年1-5月で169億ポンド(約2兆5400億円)。過去最高に上った前年同期の330億ポンドを大きく下回り、3年ぶりに減少した。

  英保険会社アビバの資産運用部門アビバ・インベスターズは先週、英不動産による年間の投資リターン見通しを8.7%から6.6%に引き下げた。アビバのグローバル不動産アナリスト、リチャード・レビス氏はEU離脱に加え、欧州債務危機の再燃、予想以上に急速な米利上げ、中国の経済成長減速などをリスクに挙げた。

  フィデリティ・インターナショナルで英不動産担当投資ディレクターを務めるエイドリアン・ベネディクト氏は「過去5年間の英商業不動産市場では取引量が前例にないペースで伸び、持続的な価格上昇につながった」と電子メールで指摘。「価格上昇のペース減速は常に予想されていたもので、その時期が国民投票と重なったにすぎない」と述べた。

  MSCIのデータによると、英商業不動産の価格の伸びは2014年10月に年率換算12.95%でピークを付けて以来、16年3月の5.91%まで毎月低下。英不動産サービス会社サヴィルズで欧州不動産調査責任者を務めるマット・オークリー氏は、不動産サイクルのこの段階で価格の伸びが低下するのは典型的で、減速を国民投票による不透明性だけに帰すのは読み違いになる恐れがあると語った。

  

原題:Real Estate Woes Run Deeper Than Brexit, Signaling U.K. Slowdown(抜粋)

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