【インサイト】「離脱」はM&Aバンカーに朗報か、英企業大売り出しも

23日の英国民投票で欧州連合(EU)離脱が選ばれポンドが急落すれば、国際的に事業展開する英企業の独立が脅かされるかもしれない。これら企業のポンド建ての株価はドルを持つ買い手にとって突然、割安に見えてくるだろう。収入の大きな部分を海外で稼ぐためEU離脱後の英景気低迷の影響は受けにくいこうした企業は、魅力的でお買い得な標的になりかねない。

  為替相場の大きな変動は、前から構想を抱いていたが採算が取れるように思えなかった買収を実現可能にする場合がある。世論調査で離脱派有利が伝えられた時のポンドの反応を見る限り、実際に離脱が選ばれればもっとひどく下げると思われる。合併・買収(M&A)バンカーにとって好機になるかもしれない。

  例は既にある。スイスの産業部品メーカー、デトワイラー・ホールディングは14日、電子部品・機器の英プレミア・ファーネルを買収すると明らかにした。英国のEU離脱をめぐる不透明に起因するポンド安が案件を魅力のあるものにしたと説明した。同じような買収対象候補はほかにもある。半導体設計のARMホールディングスやインターコンチネンタル・ホテルズも海外事業の比率が大きい。200億ドル(約2兆1200億円)弱相当の国際的企業が英市場に数多く上場している。

  もちろん、ポンド安だけで英企業への買収提案が湧いてくるわけではない。企業としての純粋な論理に基づいて既に買収を検討した対象でなければならない。そうした場合には離脱の選択が実現への触媒になり得る。英国は独立を手にしたと考えるが、同国企業は逆にそれを失うという状況は、離脱後の英国がどの程度開かれた市場になるかの試金石になるだろう。

原題:Brexit Would Put a ’For Sale’ Sign Over Much of U.K. Plc: Gadfly(抜粋)

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