ドル・円は106円台前半、日米金融政策イベント控えリスク回避一服

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  • 日本株が反発した中で一時106円34銭までドル高・円安に振れる
  • 日銀緩和期待が多少あるとみられ、ドル・円の戻りに影響-BofA

15日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=106円台前半で小高く推移した。英国の欧州連合(EU)離脱懸念を背景としたリスク回避の流れが一服。日米の金融政策イベントに注目が集まる中、アジア株の上昇を背景にドル買い・円売りがやや優勢となった。

  午後3時45分現在のドル・円は106円27銭前後。日本株が反発するなど世界的な株安連鎖に歯止めがかかる中、一時106円34銭まで値を切り上げた。前日には英国のEU離脱(Brexit)懸念によるリスク回避の動きから、一時105円63銭と約1カ月ぶりの水準までドル安・円高が進んでいた。

  バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、「通貨のボラティリティも落ち着き始めていることから、Brexit懸念が意識されつつも、FOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀会合を前にいったん調整の動きもあるだろう」と解説。日銀の追加緩和への期待も多少はあるとみられ、ドル・円の戻りに影響している可能性もあると語った。

  15日の東京株式相場は5日ぶりに反発。中国株を中心にアジア株も上昇している。岩崎氏は、「中国がMSCIの新興国指数に組み込まれなかった影響もリスク材料として懸念されたが、日本株も中国株も落ち着いていることもドル・円の戻りに寄与した形」と説明した。

日米金融政策会合

  FOMCは日本時間16日午前3時に金融政策を発表する。政策金利については据え置きが見込まれており、市場の関心はFOMC声明文やドットプロット(金利予測分布図)、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長会見に集まっている。

  三菱東京UFJ銀行の野本尚宏調査役(ニューヨーク在勤)は、ドットで年内2回の利上げ見通しが維持されれば、にわかに7月利上げの可能性が高まってくるとし、「手前の金利上昇で、ちょっとやり過ぎたドル売りの巻き戻しはいったんFOMC後に入るかもしれない」と指摘。「そうなると、ドル・円もいったんは反発してもおかしくない」と予想する。

  一方、国内では日本銀行の金融政策決定会合が2日間の日程で始まった。ブルームバーグのエコノミスト調査では、40人中11人が今回の会合での追加緩和を予想している。

  バンク・オブ・アメリカの岩崎氏は、仮に日銀が緩和に踏み込んだとしても、Brexitリスクが残る中で、ドル・円は107ー108円程度までしか戻れないと市場はみており、「なかなかタイミング的には緩和は困難かもしれない」と話した。

  中国人民銀行(中央銀行)は15日、人民元の中心レートを引き下げ、11年以来となる6.6元台に設定した。米MSCIは、中国本土で取引されている人民元建て株式(A株)をMSCI新興市場指数に組み入れることを見送った。

  ポンド・円は前日に2013年8月以来となる1ポンド=149円台前半までポンド安・円高が進んだが、この日の東京市場では150円台後半まで反発。ユーロ・円も前日に付けた13年1月以来のユーロ安・円高水準(1ユーロ=118円52銭)付近から119円台前半まで値を戻した。

  上田ハーローマーケット企画部の小野直人氏は、EU離脱の是非を問う英国民投票については、「離脱派有利の情勢が明らかになった最新の各世論調査は大方出そろったこともあり、超短期的なところでは材料出尽くし感はある」と説明。「参加者の目線がひとまずFOMCへ向かってもおかしくはない」と指摘した。

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