米国債:反落、利上げの道筋では資産運用会社の間で意見割れる

更新日時

米連邦公開市場委員会(FOMC)が14日から2日間の日程で政策会合を開催する中、政策金利の道筋をめぐり世界の大手資産運用会社2社の間で見方が割れている。

  世界最大の資産運用会社ブラックロックのグローバル債券最高投資責任者(CIO)、リック・リーダー氏は、賃金上昇や中長期にわたって見られる労働市場の力強さを受けて当局が「この夏もしくは秋にも」利上げに動く可能性が高いと指摘した。一方でウェスタン・アセット・マネジメントのケン・リーチCIOは米国を含め世界的に成長が低迷しているとの理由を挙げて、早期の利上げは「情勢について誤った判断を下すことになる」と指摘。その上で、政策金利が2%に達するまでに最大5年かかる可能性があるとの見方を示した。

  14日の米国債市場では10年債利回りが6営業日ぶりに上昇。前日は、今週のFOMC会合では利上げはないとの見方や英国の欧州連合(EU)離脱の是非をめぐる国民投票を23日に控えて安全資産を求める動きが強まったことから、10年債利回りは終値ベースで2012年以来の低水準となっていた。

  BMOキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、アーロン・コーリ氏は「市場が先走るときもあると思う。ようやく若干の抵抗に直面しつつある」と分析。「英国のEU離脱をめぐる不安については既に多くが織り込まれており、余地がなくなりつつある。あすにはFOMCの政策決定が発表される。よって、これまでの動きからやや利益確定の動きが出ているのだろう」と続けた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満上昇の1.61%。同年債(表面利率1.625%、2026年5月償還)価格は100 3/32。

  ブラックロックのリーダー氏はブログへの投稿で、「労働市場の引き締まりを受けて賃金が緩やかに上昇し、労働参加率低下の影響を超えて失業率は一段と下げている」と指摘。利上げは「長年にわたる緩和環境への対応にすぎない」と続けた。

  一方ウェスタン・アセットのリーチ氏は、金融環境や世界の経済成長、インフレ期待が改善しない限り当局は利上げしないとみている。

  同氏は13日、ウェブサイトへの投稿で「イエレン氏は歴代の連邦準備制度理事会(FRB)議長の中でもハト派姿勢の強い議長の一人で、当局の焦点をリスク管理に移している」と指摘。「インフレは世界的に安定していないどころか、いまだに低下を続けている。日本や欧州はなおデフレと闘っている。これは極めて長いプロセスになる」と続けた。

  債券市場のインフレ期待指標である10年ブレークイーブンレート(米10年債と同年限インフレ連動債との利回り格差)は3月以来の水準に低下。向こう10年間の年間インフレ率についてトレーダーらが1.48%と見込んでいることを示している。

原題:BlackRock, Western Asset Split Over Fed Path as Treasuries Fall(抜粋)

(第6段落以降を追加し、更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE