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その金曜日に覚悟すべき事-ポンド暴落、恐怖の拡散、緊急会合

更新日時

英国が欧州連合(EU)を離脱する可能性があるにもかかわらず、EU当局者らはロードマップ(行程表)を意図的に準備していない。

  英国のEU離脱に備える任務を負う欧州のある政府高官によれば、ブリュッセルの当局者らは、騒ぎになるリークを避けるため、いかなるシナリオも文書化しないよう命じられている。

  英国の離脱で予想される政治と金融への衝撃の大きさを考えれば、ロードマップが大いに役立つかどうか、それははっきりしない。欧州連合(EU)のトゥスク大統領は「西洋の政治文明そのもの」の終わりを意味する可能性があるとすら話す。

  EU加盟国の離脱は設立当初の段階では想定されておらず、仕組みが法文化されたのは2009年になってからのことだ。トゥスク大統領の誇張とも思える表現は、欧州当局者を待ち構える自己防衛という仕事の困難さをうかがわせる。

最初の24時間

  英国で23日に行われる国民投票で離脱派の勝利が次第に明らかになれば、ベルリンからブリュッセルに至るまで、EU指導者らは24日の夜明け前を待たずにダメージコントロールの対応に追われるだろう。ギリシャ危機の時と同じようにユーロ圏財務相による緊急会合がその日の晩にも開かれるかもしれない。ポンド相場の激しい変動やスイス国立銀行(中央銀行)のさらに積極的な介入、世界的なボラティリティの増大といった市場の反応も予想される。

  タトン・インベストメント・マネジメント(ロンドン)のロタール・メンテル最高経営責任者(CEO)はブルームバーグとのテレビインタビューで、英国のEU離脱を為替市場は十分に織り込んでおらず、実際にそうなった場合は「クラッシュ(崩落)が起きる可能性がかなり高い」と発言。「その金曜日は非常に騒々しい目覚めを覚悟する必要があるだろう」と語った。

  しかし、政治的な影響の方がさらに気掛かりかもしれない。事情に詳しい関係者の3人によれば、EUの中核国であるドイツとフランスは何らかの主導権を握ろうとして、24日中にも行動を起こすことを計画しており、ユーロ圏の統合深化へのコミットメントやEUの理想が健在であるという宣言が含まれる可能性がある。

Brexit, the Aftermath

離脱決定後に欧州諸国はどう動くか?

Bloomberg reporting,Pew Research Center

  ブリュッセルを拠点とするシンクタンク、ブリューゲルのグントラム・ボルフ氏は「EUには信頼に足る戦略が必要になろう。政治指導者らは緩やかな解体を避けるためにEU、とりわけ独仏同盟の魅力を高めなければならないだろう」と指摘した。

  週末が始まり、英国でEU離脱が決まったという現実がはっきりと認識されるにつれて、残された欧州諸国は、答えを出さなければならない自らの問題に直面することになる。

  英国の「離脱」の意思表示が、欧州全域でポピュリスト(大衆迎合的)、あるいは既成の支配層に反発する感情をさらに助長しかねないという恐怖が広がる中で、EUの指導者らは英国の代表が出席しない緊急首脳会議を25日の土曜日に開くという前例のない対応に踏み切る可能性もある。

  英国民投票の翌週にはEU首脳会議の開催が既に決まっており、キャメロン英首相がEU条約50条の規定に沿って離脱交渉を開始する引き金を引くのは、この首脳会議の場になる可能性が高い。離脱交渉の期限は2年と定められており、キャメロン首相がノルウェーやアイスランドのように欧州経済地域(EEA)の一員としてEUとの緊密な関係維持を望むのか、世界貿易機関(WTO)の枠組みの下でEUとの貿易を行う必要が出てくるか、それはまだ分からない。

  

原題:Brexit’s First 100 Days Promise Chaos, Fear, Damage Limitation(抜粋)

(英が離脱交渉開始の引き金を引くタイミングを追加して更新します.)
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