FRBの米国債保有、長期間の現状維持か-再投資終了が後ずれの公算

  • 再投資の終了時期はレーダー圏外に-雇用統計後の利上げ観測後退で
  • トレーダーは年内の利上げ確率を50%未満と見込む

米連邦公開市場委員会(FOMC)による昨年12月のゼロ金利解除は、連邦準備制度が保有する2兆5000億ドル(約265兆円)相当の米国債をどの程度のスピードで減らし始めるのか不安をあおった。

  しかし、世界最大の債券市場である米国債の投資家にとって心配の種ではほとんどないことが判明した。5月の米雇用者数は予想を下回り、今週のFOMCでの追加利上げ観測は後退。トレーダーの間では現在、年内の利上げ確率は50%未満と見込まれている。

  ニューヨーク連銀のダドリー総裁は1月時点で、金利正常化が「かなり進む」まで証券の安定保有を継続するとの当局の見通しを示していただけに、金利見通しの変化は重要だ。債券相場の強気派にとっては、低金利の長期化観測は利回りが過去最低に接近する米国債の保有に懸念を抱く理由が一つ減ることを意味する。

  RBCグローバル・アセット・マネジメントで債券のシニアポートフォリオマネジャーを務めるブライアン・スベンダール氏は「再投資の終了時期がレーダー上で遠くなるだけでなく、レーダー圏外になると言ってよいだろう」と述べ、「現時点では緊急性がないことは確かだ」と付け加えた。

  FRBは1年以上前、金融危機後の景気支援策の一環でバランスシートに蓄積した米国債を売却する計画はないと明言し、代わりに償還元本の再投資の停止を通じて保有残高を減らしていく方針を示した。現行の政策では当局は今年、約2160億ドルの償還元本を新発債に投じる。来年は1940億ドル相当、2018年は3890億ドル相当がそれぞれ満期を迎える。

  ダドリー総裁は1年前、金利が「合理的水準」に上昇するのを待った上で再投資の政策を終了するのが望ましいとの認識を示した。再投資の終了は金融政策の追加的な引き締めになることから、フェデラルファンド(FF)金利が「1%もしくは1.5%」程度になってからだろうと述べていた。

  15年末時点では政策当局者の大半が1年以内にこの金利水準に到達すると予測していた。FOMC参加者が12月に示した1年後の政策金利予想の中央値は1.375%だったが、今年3月時点では16年末の金利予想は0.875%に低下した。

原題:Fed Grip on $2.5 Trillion Treasury Stash Seen Firm for Years (1)(抜粋)

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