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スーパーリッチのシリア人:内戦終結すれば帰国、復興支援目指す

  • 国外で活躍する3人の企業幹部、母国再建を支援する可能性
  • 2014年末までのシリア経済の損失額は2000億ドル超:国連推計

シリアは、20世紀に発生したどの内戦よりも国全体としての破壊が進んでいるように見える。全ての町が破壊され、道路や水道は寸断、学校や病院は廃虚と化し、数百万人が殺害されたり難民となったりした。600億ドル(約6兆3500億円)規模の同国経済は瀕死(ひんし)の状態となっている。

  内戦は6年目に入り、以前はほとんど狙われることのなかった政府支配地域が爆弾で攻撃されるような状況でも、シリア人の不動産投資家ワリード・ザービ氏はひるんでいない。和平調停がこうもつかみどころのないものでさえなければ、と同氏は語る。

  ザービ氏(51)は「安定が手に入れば全てがうまくいく」と指摘し、自らも関与しているジュネーブでの和平交渉について、まるで「映画だ」と語った。

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不動産投資家ワリード・ザービ氏

Photographer: Razan Alzayani/Bloomberg XXX SEND TO CLIENTS ONLY XXX

  シリアの内戦が近く終結すると考えているのは最も楽観的な外交関係者だけだ。だが実現すれば、まず国外にいる富裕なシリア人が母国に戻って経済復興に取り組み、外国企業の誘致を促す必要がある。シリア経済を内戦前の規模に戻すには2000億ドル近くかかると推計され、復興に向けた努力は大きな利益につながり得る。ただし、損失が出る可能性もある。

3人の名前挙がる

  シリアの再建を金融、さらに政治の面から担う人物として数人の名前が候補に挙がっている。反政府勢力の組織、高等交渉委員会のメンバーとして国連と協議しているザービ氏もその1人だ。

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  サービ氏のほかに、ロンドン拠点の石油サービス会社ペトロファクのアイマン・アスファリ最高経営責任者(CEO、57)と、ウィーンを拠点とする製紙業界の重鎮、ナビル・クズバリ氏(79)がいる。アスファリ氏はアサド政権を批判してきたが、クズバリ氏は商業面でアサド家とつながりを持っていたことがある。アスファリ氏はインタビューの申し入れを断ったが、クズバリ氏はシリア再建に向け「人道面で」投資する準備があると語った。

Petrofac Ltd Chief Executive Officer Ayman Asfari Interview

アイマン・アスファリ氏

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg *** Local Caption *** Ayman Asfari

  ザービ氏はダルアー出身の土木技師。ダルアーはアサド大統領がデモを鎮圧した都市で、これをきっかけに内戦が始まった。同氏は1988年にシリアを出国し、アラブ首長国連邦(UAE)で職に就いた。当時の給料は月2000ディルハム(現在の為替レートで約5万8000円)だった。

  同氏は3年後に起業。やがて不動産や請負業、教育部門などからなる企業に成長させた。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、同氏が率いる企業帝国の価値は計7億5000万ドル余りだが、同氏によればその評価額は10億ドルを優に超えるという。

  ザービ氏は5月11日、ドバイのホテルでのインタビューで、シリアの復興では子供への教育とヘルスケアが優先事項だと述べた。数百万人の子供たちが適切な教育を受けておらず、数万人は内戦によって何らかの障害を抱えている。

  「内戦が始まった当時10歳だった子供たちは今では15歳になり、血で血を洗う戦闘状態しか知らない子供たちもいる。こうした子供たちに何を期待することができるだろうか。われわれは彼らにどう対応できるのだろうか」と同氏は問い掛けた。

原題:These Super-Rich Syrians Are Waiting to Return If War Ever Ends(抜粋)

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