円全面高、英EU離脱警戒でリスク回避-対ユーロで2013年2月来高値

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  • ドル・円、一時105円63銭と5月3日以来の円高値付ける
  • 英EU離脱は欧州の政治・経済リスク一気に高めかねない-IG証

14日の東京外国為替市場では、円が主要通貨に対して全面高となった。英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票を来週に控え、直近の世論調査で離脱派が優勢となっていることから、リスク回避に伴う円買い圧力が掛かった。

  午後4時15分現在のドル・円相場は1ドル=105円73銭付近。午前には日本株が上昇に転じた場面で106円42銭までドル高・円安に振れたが、午後に株が下げ幅を拡大すると円高が進み、欧州時間にかけて105円63銭と5月3日以来の円高値を付けた。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=118円90銭と2013年2月以来の水準までユーロ安・円高が進んだ。英EU離脱リスクを背景に、ポンドは主要16通貨に対して全面安の展開となった。

  IG証券の石川順一マーケットアナリストは、「英国のEU離脱は欧州全体の政治・経済リスクを一気に高めかねない」とし、「世界の投資家がリスクを取りに行く動きは当然出にくい」と指摘。「ドル・円は5日移動平均線が直近では意識され、同水準を上抜けない限りは、5月3日の安値105円55銭を下方ブレークして105円をトライする可能性が次第に高まっていく」とみる。

  ICMの13日の発表によると、1000人を対象に6月10-13日に実施した電話調査では離脱支持が50%、残留支持は45%。同期間に2001人の成人を対象としたオンライン調査では離脱支持が49%、残留支持は44%だった。

  ノムラ・インターナショナルの後藤祐二郎シニアFXストラテジスト(ロンドン在勤)は、英世論調査に関して「残留派がリードしているのではないかといううわさもあったが、出てきた結果は離脱派が勢いをちょっと増しているという状況なので、このあたりがもう少しドル・円なり、クロス・円の上値を抑えるような展開になりやすい」と指摘。今週は日本銀行の金融政策決定会合を控え「英世論調査が離脱派優勢という状況で、このまま日銀が何もしないとなると、105円を試すリスクはある」とみる。

  麻生太郎財務相は14日午前の閣議後会見で、為替相場について、急激で投機的な動きが見られているとし、必要なら対応する考えを示した。また、英EU離脱の金融市場への影響についても注視すると語った。

日米の金融政策決定会合見極め

  この日の米国時間には連邦公開市場委員会(FOMC)が2日間の日程で開始する。フェデラルファンド(FF)金利先物市場の動向に基づくブルームバーグの算出によると、今回会合での利上げ確率はゼロ。同時に経済予測とFF金利誘導目標の「ドット・プロット(金利予測分布図)」が公表される。

  ノムラの後藤氏は、ドットがどう動いてくるかとイエレン議長の記者会見が注目だとし、「特にBrexit(英EU離脱)のリスクも高い状況が続く中、7月利上げ期待が大きく高まるような内容にならないのではないか」と言う。

  日銀は15、16日に金融政策決定会合を開く。ブルームバーグがエコノミスト40人を対象に6-10日に実施した調査では、今回会合で追加緩和を行うとの予想は11人(28%)と少数派にとどまり、次回7月28、29日会合が22人(55%)と最も多い。

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